加給年金の請求漏れ、過払い注意!
配信日: 2021.04.26
今回は加給年金の請求漏れや過払いについて解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
そもそも加給年金とは
加給年金とは、厚生年金の被保険者期間が20年以上ある方が原則65歳に達したとき、その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者、または18歳到達年度の3月31日までの間の子(1級・2級障害の状態にある子は20歳未満)がある場合に加算されて支給される年金です。簡単にいえば、加給年金は厚生年金独自の家族手当のようなものです。
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加給年金の受給と停止には手続きが必要
加給年金は要件に合致すれば自動で振り込まれるわけではなく、次のような書類とともに最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターへ届け出ることが必要です。
●戸籍謄本または戸籍抄本
●世帯全員の住民票の写し
●加給年金の対象となる配偶者や子の所得証明書または非課税証明書
なお、加給年金の受給が終了する際、その理由が年齢に関するなど、年金を処理する事務局側で終了事由が把握できるものであればよいのですが、配偶者が自分の年金を受給するようになったことなどを理由に加給年金の対象から外れる場合は、停止の手続きが必要となります。
詳細については最寄りの年金事務所、ねんきんダイヤルへご相談ください。
加給年金は請求漏れに注意
加給年金は複雑な仕組み故、請求漏れが起こりやすい年金でもあります。例えば、加給年金は配偶者だけでなく一定の年齢未満の子どもがいる場合も支給の対象になります。ここでいう子は、実子でなくとも養子縁組していれば対象となり得ます。
また、配偶者は事実婚であっても対象となり得ます。なお、加給年金の対象となる配偶者や子は必ずしも同居している必要はなく、本人によって生計を維持されていれば支給の対象になります。
さらに、加給年金の対象となる配偶者や子がいても請求しなければ支給されないため、その点にも留意しておくべき必要があります。
加給年金の支給対象には内縁関係にある配偶者や養子も含むこと、必ずしも同居までは必要とされていないこと、請求をしなければ支給されないということを覚えておいてください。
加給年金はもらい過ぎにも注意
加給年金は子どもが受給対象外となる年齢に達した場合などを除き、基本的に受給要件を満たさなくなった場合には支給停止の届け出が必要です。
よくある勘違いとしては、加給年金が不支給となる場合は自動で停止されると思い込んで、配偶者と離婚したり、配偶者が年金を受給するようになった、死亡したといった場合に届け出をしておらず、何年も加給年金が支給されていたという例があります。
こういった場合、後日過払い状態となった年金を返還しなければならなくなります。
加給年金を受け取ることになった場合、加給年金が支給されている原因は何かということを覚えておき、その原因が解消されたら速やかに届け出をして過払い状態とならないようにする必要があります。
加給年金について気になることがあれば年金事務所へ
加給年金は複雑な仕組みとなっているため、請求漏れや過払い状態になってしまう方が一定数存在しています。
年金を受け取っていない配偶者や子がいる状態で厚生年金を受け取る場合は、一度、加給年金が受け取れないか確認しておき、受給後はその要件が解消されたら速やかに停止の手続きすることが大切です。加給年金について不明なことや気になることがあれば、最寄りの年金事務所や街角の年金相談センター、ねんきんダイヤルなどで相談するとよいでしょう。
参考
日本年金機構 年金受給者(老齢年金・障害年金・遺族年金)に関する届書・申請書一覧
執筆者:柘植輝
行政書士