障害年金は「がん」でも受給できるってほんと?

配信日: 2021.05.04

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障害年金は「がん」でも受給できるってほんと?
日本人のおよそ2人に1人が「がん」になるといわれる現代、多くの方ががんによる障害に悩んでいます。そこで確認しておきたいのが、がんによって引き起こされる障害は障害年金の対象となるのか否かです。
 
今回は、がんも障害年金の対象になるのかどうか確認していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

障害年金は、がんでも受給できる

結論から申し上げますと、がんが原因であっても障害年金を受給することは可能です。なぜなら、障害年金の支給要件は病名で区分けされているわけではなく、症状が障害年金上の障害に当てはまるか否かによって判断されているからです。
 
では、障害年金について要点を確認していきましょう。
 

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そもそも障害年金とは

障害年金とは、国民年金や厚生年金に加入している方が、病気やけがによって生活や仕事に一定の制限がなされるような場合に現役世代の方も含めて受け取れる年金です。
 
障害年金には障害基礎年金(国民年金の加入者が対象)と障害厚生年金(厚生年金にの加入者が対象)とがあり、基本的には障害厚生年金の方が手厚い保障となっています。
 

障害年金の受給要件は?

障害年金の受給要件は大きく分けて3つあります。

・年金の加入期間中に初診日があること
・一定の障害状態にあること
・保険料を納付していること

それぞれ順に内容を確認していきましょう。
 

年金の加入期間中に初診日があること

障害年金を受け取るには、国民年金や厚生年金の加入中に初診日があることが必要です。ここでいう初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて初めて医師の診察を受けた日のことを指します。
 

一定の障害の状態にあること

障害年金を受給するには規定されている障害状態にあり、障害等級の認定を受ける必要があります。障害等級には1級から3級まであり、障害基礎年金は1級と2級、障害厚生年金は1級から3級に該当する場合に受け取れます。
 
一般的に障害等級の1級から3級に該当すると認められる症状としては、おおむね次のような状況です。

1級:活動範囲がベッドや寝床周辺に限られるような状況
2級:活動の範囲が病院内や家屋内に限られ、軽微な家事(軽食作りなど)しかできないような状況
3級:労働が著しい制限を受けるか、制限を加えることが必要な状況

保険料を納付していること

保険料の納付状況について次のどちらかの要件を満たしていることが必要です。

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間、保険料が納付または免除されている
(2)初診日に65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない

 

がんにおける症状の障害認定は

がんを原因とする障害等級の認定は、一般の区分に従って次のように定められています。
 

障害等級 状態
1級 著しい衰弱または障害のため常に介助を必要としている。
終日就床を強いられ、活動場所がベッド周辺に限られている。
2級 衰弱または障害により、しばしば介助が必要。
日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出などがほぼ不可能となっている。
あるいは、歩行や身のまわりのことはできるものの少し介助が必要なときもあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの。
3級 著しい倦怠感のため、歩行や身のまわりのことはできるものの少し介助が必要なときもあり、軽労働はできないが日中の
50%以上は起居しているもの。
あるいは軽度の症状により、肉体労働は制限を受けるが歩行や軽労働、座業(軽い家事や事務など)はできるもの。

※筆者作成
 

まとめ

障害年金は、がんになったときでも症状が障害年金の等級に合致するものであり、障害年金の受給要件を満たす限り受給することができます。ただ、障害認定は厳格に行われるものであり、病気となっている方の主観だけで決まるものではありません。
 
障害年金についての疑問や手続きなど詳細については、最寄りの年金事務所や街角の年金相談センター、ねんきんダイヤルにお問い合わせください。
 
出典
日本年金機構 障害年金
日本年金機構 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準
日本年金機構 電話での年金相談窓口
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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