「特別支給の老齢厚生年金」がもらえる? 65歳より前に年金請求書が届いた場合

配信日: 2021.05.24

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「特別支給の老齢厚生年金」がもらえる? 65歳より前に年金請求書が届いた場合
厚生年金は原則として65歳からの受給となっています。しかし、65歳に達する前であっても、年金を受け取るための年金請求書が届くこともあります。もし、65歳よりも前に年金請求書が届いたら、どう対応すべきなのか解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

特別支給の老齢厚生年金とは

厚生年金は、昭和60年に受給開始年齢が60歳から現在の65歳に引き上げられました。その際、公平性を図るほか、受給開始年齢をスムーズかつ段階的に引き上げるよう創設されたのが「特別支給の老齢厚生年金」です。
 
特別支給の老齢厚生年金は、生まれた年月に応じて60歳から65歳までの全期間または一部の期間支給されるものです。特別支給の老齢厚生年金を受け取るには、次の要件を満たす必要があります。
 

(1)男性は昭和36年4月1日以前に生まれていること
(2)女性は昭和41年4月1日以前に生まれていること
(3)老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしていること
(4)厚生年金保険等に1年以上加入していたこと
(5)60歳以上であること

 

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65歳より前に年金請求書が届いたらどうする?

65歳より前に年金請求書が届いたら、それは特別支給の老齢厚生年金が受け取れるということです。厚生年金は繰上げ受給(65歳より前に受け取りを開始すること)をすると、繰上げ期間に応じて減額された年金額を受け取ることなります。しかし、特別支給の老齢厚生年金は受け取っても年金は減額されません。
 
とはいえ、特別支給の老齢厚生年金は65歳までしか支給されないものです。年金請求手続きが遅れた場合は65歳以降にも受け取ることができますが、年金は受け取れるようになってから5年が過ぎると請求権が時効になり消滅するため、もらい損ねる恐れもあります。また、特別支給の老齢厚生年金は繰下げ受給(受け取り開始時期を遅らせること)ができません。
 
そのため、65歳より前に年金請求書が届いたら、速やかに特別支給の老齢厚生年金の受給の手続きをするべきです。
 

特別支給の老齢厚生年金を受け取るための手続きは?

特別支給の老齢厚生年金の請求は、年金請求書が届いた日から行えるわけではありません。手続きができるのは受給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)となります。
 
受給開始年齢に達したら年金請求書のほか、自身の生年月日を証明できる戸籍謄本や住民票、そして年金の受け取りに使いたい金融機関の口座情報が確認できる書類などを、年金事務所や街角の年金相談センターに提出します。
 
なお、添付書類は基本的に受給権の発生日以後、かつ請求書の提出日から6ヶ月以内に交付されたものでなければならないことにも注意してください。
 

年金請求書はいつ頃届く?

年金請求書は、年金の受給開始年齢に到達する3ヶ月前に送付されます。そのため、特別支給の老齢厚生年金を受けられることが分かっている場合は誕生日の3ヶ月くらい前になったら、そろそろ届くかもしれないと頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
 

自分が特別支給の老齢厚生年金の対象となるか確認したい

自分が特別支給の老齢厚生年金の受給対象者になれるのか気になるときは、毎年送られてくるねんきん定期便を確認するほか、最寄りの年金事務所や街角の年金相談センター、ねんきんダイヤルへ問い合わせると確実です。
 
特別支給の老齢厚生年金は特例的な制度であるため、少しでも気になる部分があれば積極的に確認しておくべきです。
 

65歳より前に年金請求書が届いたら特別支給の老齢厚生年金がもらえるサイン

特別支給の老齢厚生年金は65歳より前からもらえる厚生年金であり、受給権者の方には年金請求書が届きます。特別支給の老齢厚生年金を65歳より前に受け取っても年金額は減額されません。65歳よりも前に年金請求書が届いたら、速やかに受給するための準備や手続きを進めてください。
 
出典
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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