更新日: 2021.05.31 年金

親の年金が少なくて心配……。何か活用できる制度はある?

執筆者 : 中村将士

親の年金が少なくて心配……。何か活用できる制度はある?
親が高齢になってくると、心配事は多くなります。とりわけ、金銭面のことになると、親子で話し合う機会もなかなかないのではないでしょうか。
 
年金生活者支援給付金制度をご存じでしょうか。以下では、「親の年金額が少なくて心配」という方のために、年金生活者支援給付金制度を紹介します。
 
中村将士

執筆者:

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

中村将士

執筆者:

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

年金生活者支援給付金制度の概要

年金生活者支援給付金制度とは、年金に上乗せして年金生活者支援給付金が支給されるという制度です。その目的は、公的年金等の収入や所得額が一定額以下の年金受給者の生活を支援するものであり、当然のことながら支給要件があります。
 
ここでは、老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の支給要件と給付額について解説します。
 

支給要件

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金を受け取るためには、以下の支給要件を全て満たす必要があります。
 

(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること
(2)同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
(3)前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万9900円以下であること

 
(3)の「前年の公的年金等の収入金額」には、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、「前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額」が77万9900円超87万9900円以下の方には、補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されることとなります。
 
例えば、65歳で老齢基礎年金の受給を開始し、同一世帯の全員が市町村民税非課税である方の場合を考えてみます。令和2年度の収入が老齢基礎年金だけであった場合、令和2年度の基礎年金額(満額)は78万1700円でしたので、補足的老齢年金生活者支援給付金の支給要件を満たしているといえます。
 

給付額

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の給付額は、原則として、以下の(1)(2)の計算式によって求められた金額の合計額となります。
 

(1)保険料納付済期間に基づく額(月額)
= 5030円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
 
(2)保険料免除期間に基づく額(月額)
= 1万845円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月

 
(1)は保険料納付済期間、(2)は保険料免除期間に基づいて計算しており、保険料猶予期間は考慮されません。この点は、老齢基礎年金の支給金額の考え方と同じです。
 
例えば、保険料納付済期間が480月であった場合、給付額は5030円(月額)となります。これは、老齢年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合の給付額であり、補足的老齢年金生活者支援給付金の支給要件を満たしている場合は、この金額に調整支給率を乗じた金額が給付額となります。
 

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金を受け取るには

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金を受け取るには、支給要件を満たした上で、年金生活者支援給付金の「認定請求」という手続きを行う必要があります。簡単にいえば、請求書を提出するということです。逆にいえば、請求しなければ老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金を受け取ることはできないということです。
 
手続きは簡単です。まず、支給要件を満たしている方には、日本年金機構からはがき型の簡易な請求書が封筒に入って郵送されてきます。封筒を受け取ったら、中に入っている「年金生活者支援給付金請求書」の太枠内に記入し、切手を貼って投函(とうかん)します。あとは給付金が振り込まれるのを待つだけです。
 
ちなみに、給付金は基礎年金と同じ口座、同じ日に、年金とは別に振り込まれます。ですから、通帳には2種類の振り込みが記入されることになります。
 

まとめ

親の年金が少ない場合には、「年金生活者支援給付金制度」を利用できる可能性があります。
 
年金生活者支援給付金制度を利用するためには支給要件を満たす必要がありますが、支給要件を満たしている場合、日本年金機構から年金生活者支援給付金請求書が送られてきます。手続きは非常に簡単ですので、年金生活者支援給付金請求書が届きましたら、なるべく早く手続きをするようにしましょう。
 
日本年金機構から届く封筒には、大事な書類が入っています。安易に破棄しないように注意してください。
 
出典
厚生労働省 「年金生活者支援給付金制度について」
日本年金機構 「年金生活者支援給付金のお知らせ」
日本年金機構 「年金生活者支援給付金の簡易な請求書(はがき型)の送付について」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー