公的年金制度にはどのような問題点がある?

配信日: 2021.06.17

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公的年金制度にはどのような問題点がある?
日本の公的年金制度には問題点が数多く存在しています。20歳から40年間加入し、その後、65歳から死ぬまで受け取り続ける公的年金です。問題点を理解しないまま長期間加入するのは不安に思いませんか?
 
公的年金制度の問題点について一緒に学んでいきましょう。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

少子高齢化においては現役世代に負担がのしかかる

日本の公的年金は世代間扶養を掲げ、賦課方式を採用しています。賦課方式とは、要は現役世代から集めた保険料を運用して、老後世代へ年金として支払うというイメージです。
 
賦課方式では現役世代の数が高齢者に比べて少なければ少ないほど、その負担が大きくなります。つまり現在、著しく少子高齢化が進んでいる日本において、この賦課方式というのは現役世代に大きな負担を強いていることに他なりません。
 
そして現役世代が老後を迎えるころには、次の現役世代がさらに減っているため、年金保険料を納めていた頃の高齢者ほどの給付は受けられないことがほぼ確定しています。将来的には現役世代2人で1人の高齢者を扶養することになると想定されるなど、今後はさらに厳しい状況になります。
 

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年金原資の運用ミス

賦課方式によって集められた年金保険料は、そのまま高齢者に分配されているわけではありません。集めた保険料を原資として運用し、利益を狙い、その利益を含めて高齢者への年金の支払いに充てられています。
 
その際の運用先は株式や債券となっています。いわば現役世代が将来のために行っている、つみたてNISAやiDeCoなどによる資産運用とほぼ同様の投資を、国が年金原資で行っているのです。
 
投資による運用ですから、当然、社会情勢の変化によってうまくいくこともあれば、原資が一時的に減ってしまうこともあります。年金原資を運用すること自体が悪いわけではありませんが、保険料として集められた年金原資が減少するというリスクがあること、そして2019年度のように実際に原資が大きく減少した時期があるという問題点も知っておくべきです。
 

制度自体が複雑である

年金制度における最も大きな問題点として、制度そのものが複雑であるという点が挙げられるのではないでしょうか。
 
公的年金は国民年金と厚生年金とに大きく分かれているのですが、加入や脱退のタイミング、その手続きの内容について明確に答えられる加入者はほとんどいないでしょう。老後を迎えて実際に年金を受給する際の手続きについても、よく理解できなかったという方もいらっしゃいます。
 
また、老後を迎える前にも遺族年金や障害年金など、一定の要件の下で受けられる年金がありますが、どれも制度が複雑な上、十分な説明がされているわけでもありません。
 
制度自体が複雑であり、それを加入者が理解できる場が少ないというのも日本の公的年金における問題点の1つです。
 

日本の公的年金制度はまだまだ課題が多い

日本の公的年金制度は、この先も私たちの老後を支える制度として働くことは間違いありません。その一方で問題点も多く、今後それらは改善されていくべき事項です。すぐに年金制度を変化させることは現実として困難です。しかしながら制度について問題点を知り、公的年金がより良い方向に進むことを考えていくことはできます。
 
年金制度の仕組み自体を理解することはもちろんですが、問題点も同時に学び、老後や将来について考えていきたいところです。
 
出典・参考
厚生労働省 教えて!年金積立金運用 どのように運用されているの?
年金積立金管理運用独立行政法人 2020年度第3四半期運用状況(速報)
年金積立金管理運用独立行政法人 年金積立金の運用とは
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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