更新日: 2021.06.20 その他年金
老齢年金を受給している配偶者が亡くなったら? 受給している年金別に手続きを解説
今回は、年金を受給している配偶者が亡くなった際に行うべき年金手続きについて解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
老齢基礎年金を受け取っている配偶者が亡くなったとき
老齢基礎年金とは国民年金のことです。今まで専業主婦を続けていて厚生年金に加入したことがない方や、自営業一筋だった方などが受け取る年金が国民年金です。国民年金を受け取っている配偶者が亡くなってしまったときは、受給権者死亡届(報告書)を年金事務所または街角の年金相談センターに提出することが必要です。
その際の添付書類は、亡くなった方の年金証書と死亡の事実が確認できる戸籍抄本や死亡診断書になります。なお、受給権者死亡届は年金事務所や日本年金機構のホームページなどで配布されています。
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老齢厚生年金を受け取っている配偶者が亡くなったとき
老齢厚生年金とは、厚生年金に加入していたことのある方が受け取れる年金です。過去に会社員として働いて、厚生年金を受け取っていた配偶者が亡くなられたときの手続きは、基本的には老齢基礎年金を受け取っていた場合と同様になります。
ただ、自身が厚生年金に加入している場合、配偶者の年齢などによっては加給年金が支給されていることもあります。その場合、別途加給年金の停止手続きも必要となります。詳細については最寄りの年金事務所にお問い合わせください。
マイナンバーを提出していると死亡届が不要
日本年金機構に対してマイナンバーを提出されている方の場合、亡くなったとしても原則、受給権者死亡届の提出を省略できます。しかし、配偶者の方がマイナンバーを提出しているかどうかは把握していないことも多いでしょう。手続きに着手する前に、一度最寄りの年金事務所などに問い合わせて確認することをおすすめします。
年金を受け取っている配偶者が亡くなってしまったら今後の年金はどうなる?
基本的に配偶者の方が亡くなってしまったら、その時点で年金は支給が停止されます。
ただし亡くなったとはいえ、支給日の関係上、まだ支給されていなかった部分の年金や、亡くなった後に支給された年金でも、存命していた期間に該当する部分の金額については遺族の方が受け取ることができます。
また、亡くなった方が年金を受け取っており、その方に生計を維持されているなど一定の要件を満たす場合、配偶者は遺族年金を受け取れることもあります。
この場合は受給権者死亡届のほか、未支給年金・未支払給付金請求書の提出なども必要です。詳細については最寄りの年金事務所へ問い合わせて確認できます。特に亡くなった方が厚生年金に加入していた場合は遺族年金を受け取れる可能性もあるため、早めに確認してください。
配偶者が亡くなったまま手続きをしないとどうなる?
配偶者のマイナンバーが提出されているような状況を除き、何も手続きをしないでいると、その間も亡くなった配偶者に年金が支払われます。年金が勝手に振り込まれるからといって受け取り続けてしまうと、不正受給として受け取った年金の返還だけでなく、刑事罰による罰則の対象となることもあります。
配偶者が亡くなったときは年金事務所に相談し、必ず所定の手続きを取るようにしてください。
年金を受け取っている配偶者が亡くなられたら年金手続きを忘れずに
年金を受け取っている配偶者が亡くなってしまったら、受給権者死亡届の提出など所定の手続きが必要です。手続きを放置していると不正受給として扱われる可能性もあるので、適宜、年金事務所などに状況を確認し、必要な手続きを速やかに行うようにしてください。
出典
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
日本年金機構 厚生年金保険の年金を受けている方の配偶者が亡くなられたとき。(老齢年金)
執筆者:柘植輝
行政書士