更新日: 2021.06.23 年金

障害年金ヒント集(13) 第三者証明を活用する

執筆者 : 和田隆

障害年金ヒント集(13) 第三者証明を活用する
年金の相談を受けていると、「障害年金をもらいたい。でも、ハードルが高くて……」と悩んでいらっしゃる人がたくさんいることが分かります。確かに、障害年金を受給するには、いくつものハードルがあります。しかし、取り組み方をちょっと変えると、うまくハードルを越えられる場合もあります。
 
悩んでいる人たちへの受給のためのヒント集です。第13回は「第三者証明を活用する」です。
 
和田隆

執筆者:

執筆者:和田隆(わだ たかし)

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士

新聞社を定年退職後、社会保険労務士事務所「かもめ社労士事務所」を開業しました。障害年金の請求支援を中心に取り組んでいます。NPO法人障害年金支援ネットワーク会員です。

ホームページ
「すぐわかる! 障害年金のもらい方」
「ルールブックで快適職場」

和田隆

執筆者:

執筆者:和田隆(わだ たかし)

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士

新聞社を定年退職後、社会保険労務士事務所「かもめ社労士事務所」を開業しました。障害年金の請求支援を中心に取り組んでいます。NPO法人障害年金支援ネットワーク会員です。

ホームページ
「すぐわかる! 障害年金のもらい方」
「ルールブックで快適職場」

受診状況等証明書などが入手できないときに

初診日の証明は、受診状況等証明書や診断書など医療機関が発行する文書で行うのが原則です。しかし、当該医療機関がすでに閉鎖していたり、最後の受診から年月がたっていて、カルテ等が保存されていなかったりする場合は、本当に困ってしまいます。こんなときに使えるのが第三者証明です。
 

2015年に取り扱いの条件が明確化された

第三者証明は、当該医療機関で診療を受けていたことを第三者に文書で証言してもらい、初診日を証明するものです。2015年の厚労省通知(※1)で取り扱いの条件が明確化され、活用しやすくなりました。この通知によると、取り扱いの条件は、主に次のようなものです。
 

1)証言者の範囲は、請求者の3親等以内の親族を除く。
 
2)証言者の人数は、原則として2人以上。しかし、証言者が初診日ごろに受診していた医療機関の医療従事者の場合は1人でよい。
 
3)20歳前障害の場合は、第三者証明だけでよいが、20歳後の障害の場合は、第三者証明のほかに参考資料が必要。ただし、証言者が上記の医療従事者の場合は、参考資料は不要。
 
4)証言の内容は、その当時に見舞いなどで直接に見たか、請求者やその家族らから聞いたか、あるいは、請求時からおおむね5年以上前に聞いていたか。

 

用紙はホームページからダウンロードできる

第三者証明の用紙は年金事務所や市役所等の担当課でもらえますが、日本年金機構のホームページの当該ページ(※2)からダウンロードすることも可能です。同様の様式で自作したものでも構いません。この場合、パソコンで文字を入力しても構いませんが、署名は直筆が求められます。
 

世話になった医療従事者を探そう

上記の厚労省通知で、第三者証明は、以前よりは活用しやすくなったものの、本来の証明方法ではありませんので、効果的に活用するには工夫が大切です。次のような点に配慮しましょう。
 
【1】医療従事者を探す
 
証言者が1人でよいというのが利点です。厚労省通知やこの通知に伴って日本年金機構が作成した「Q&A」(※3)によると、医療従事者としては、担当だった医師、看護師、薬剤師、理学療法士、精神保健福祉士らが例示されています。
 
しかし、事務関係職員は除かれています。かつて、大いに世話になった医療従事者がいた場合は、すでに当時の医療機関には勤務していないかもしれませんが、何とか探し出して第三者証明を依頼するのが得策のようです。
 

証言者のバラエティーを豊かに

【2】さまざまな人間関係の人に依頼する
 
日本年金機構が作成したパンフレット(※4)では、第三者証明を依頼する第三者として、隣人、友人、民生委員らが例示されています。このほか、勤務先の上司や学校時代の恩師らに依頼する場合も多いようです。
 
誰に依頼するにせよ、例えば、「3人の友人」のように同じ人間関係の人にばかり証言してもらうよりも、「勤務先の上司、隣人、友人」のようにさまざまな人間関係の人に証言してもらうほうが、証言内容がバラエティーに富み、それだけ信用性が高まります。
 
勤務先の上司や学校時代の恩師に依頼するのは、敷居が高いように感じるかもしれませんが、立場上、請求者の状況を的確に把握していた可能性があり、友人よりもむしろ適任の場合があります。また、証言内容に、その人しか知らないようなことをエピソードのような形で織り込んでもらうと、同様に信用性が高まります。
 

参考資料を工夫しよう

【3】参考資料を工夫して探す
 
日本年金機構が作成した別のパンフレット(※5)では、参考資料として、
 

診察券
入院記録
医療機関や薬局の領収書
生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書
障害者手帳の申請時の診断書
交通事故証明書
インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー
事業所等の健康診断の記録
健康保険の給付記録(レセプトを含む)

 
などが例示されています。
 
これらのほかにも、さまざまな参考資料が考えられます。お薬手帳、母子手帳、糖尿病手帳などの手帳類、請求者や家族の日記、家計簿など私的な記録も場合によっては有効とされる可能性があります。
 

最大限の努力が求められる

一般に、第三者証明を依頼するには、ちょっとした勇気を必要とすることでしょう。しかし、その積極性が受給の成否を分けるかもしれません。第三者証明は、提出すれば必ず認められるというものではありません。それだけに、最大限の努力が必要です。
 
(※1)厚生労働省「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」(年管管発 0928第6号)
(※2)日本年金機構「初診日に関する第三者からの申立書を提出するとき
(※3)資料:日本年金機構給付企画部「初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いQ&A」
(※4)日本年金機構「障害年金制度について」
(※5)日本年金機構「障害年金の初診日証明書類のご案内」
 
執筆者:和田隆
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士