更新日: 2021.07.05 iDeCo(確定拠出年金)

iDeCoとつみたてNISAは結局何が違う? それぞれの強みとデメリット

iDeCoとつみたてNISAは結局何が違う? それぞれの強みとデメリット
コロナ禍による株式市場の好況から投資や資産形成に多くの方が注目しています。その中でも特に、誰でも手軽に始められる投資と資産形成の手法としてiDeCoとつみたてNISAが話題になっています。
 
そこで、今回はiDeCoとつみたてNISAについて両者の違いやそれぞれの強み、デメリットについて解説していきます。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

iDeCoとつみたてNISAの違いを知ろう

まずは基礎知識としてiDeCoとつみたてNISAの違いについて学んでいきましょう。
 
iDeCoとは、全てを自身で決めていく個人年金です。自分で決めた掛け金を毎月拠出し、それを自分で運用し、自分で受取時期や方法を決めていくものになります。その際の運用方法は株式や債券などの投資信託の他、元本割れのない定期預金など幅広く選ぶことができるようになっています。
 
ただし年金である以上、お金の受取時期は60歳以降となります。また、iDeCoは拠出、運用、受け取りのそれぞれの段階で税制優遇が受けられます。
 
対してつみたてNISAは年金ではなく長期実施することを前提とした投資です。最大20年の間、毎年40万円まで拠出できるという上限の範囲で、月々の投資金額を設定して好きな金融商品に積立投資していくのです。
 
つみたてNISAの対象となる金融商品は長期の投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限られており、投資ではあるものの安全性が高めで初心者でも安心して投資ができるようになっています。
 
また、こちらはお金が必要になればいつでも購入した金融商品を現金化することができます。つみたてNISAの税制優遇は運用利益が非課税となっているだけであり、積立時や受取時には税制優遇はありません。
 
iDeCoとつみたてNISA、どちらも少しずつコツコツ拠出し、積み立てていくものという意味では共通していますが、iDeCoは年金であり、受け取りが60歳以降で拠出から受け取りまで全ての段階で税制優遇が受けられる。つみたてNISAは最大20年間の資産形成であり、いつでも受け取りが開始できるが、税制優遇は運用益のみという点で明確な違いがあります。
 

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iDeCoとつみたてNISAの強みは?

iDeCoの最大の強みは節税効果です。掛け金は全額所得控除であるため、掛け金を拠出すればするほど所得税や住民税が安くなります。さらに運用によって得た利益は非課税である上、受取時も受取方法によって退職所得ないし、公的年金等として強烈な税制優遇を受けることができます。
 
また、運用方法を株式や債券への投資ではなく定期預金とすることで、元本割れを起こさず、損をしにくいという安全な運用ができる点も大きな強みとなります。
 
それに対してつみたてNISA最大の強みは積み立てた資産に利用制限がない点です。iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、いざというときの資金には使えませんが、つみたてNISAはいつでも現金化して緊急時の資金として使える点が強みです。
 
さらに、非課税で拠出できる上限が年間40万円と決まっていることから大きな失敗をすることがないため、安全に投資を始めるきっかけになり、金融に関するリテラシーやお金について理解を深めていくきっかけにもなります。
 
両者に共通する強みでいえば、長期間の運用ができるという点です。資産運用は社会情勢などによって短期的に見れば大きく資産が目減りしたり、逆に大きく資産が増えるというリスクが存在しています。
とはいえ、現在の金融市場は下落と上昇を繰り返しており、長期的に見れば確実に経済は成長しています。
 
実際、過去にITバブルが崩壊したり、リーマンショックが起こって金融市場がボロボロとなってもその都度立て直し、現在ではその頃よりはるかに株価は上昇しています。資産運用は10年、20年、30年、長期間コツコツ運用を続けることでほぼ確実に資産を増やすことができるというのが強みです。
 

iDeCoとつみたてNISAのデメリットは

先に何度も出ていますが、iDeCoのデメリットは原則60歳まで引き出せないという点です。節税効果につられて貯金をせずiDeCoにばかりお金を拠出していると、いざというときにお金が不足して困ってしまう恐れもあります。
 
つみたてNISAのデメリットには投資であるのに選べる金融商品に制限があったり、年間の拠出上限額が40万円と少ない点にあります。
 
また、両者共通のデメリットとして、運用方法や運用期間によっては元本割れを起こしてしまい、結果的に損をしてしまう可能性がある点が挙げられます。
 

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iDeCoとつみたてNISA、どちらを始めるかは両者の特性を理解してから決めるべき

iDeCoとつみたてNISA、どちらも同時に始められることができればよいのですが、誰でもそこまで資金に余裕があるわけではありません。基本的には自身の考え方や資産の状況に合わせてどちらか一方を始めるのが得策です。
 
1つの考え方として、生活のための貯金が十分できており、節税効果に魅力を感じるならiDeCoに、逆にいざというときに自由にお金を引き出せる点を重視し、非課税制度を利用して少しでも有利に資産形成をしていきたいという場合は現金化がしやすいつみたてNISAをスタートするといった感じで決めていくとよいでしょう。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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