平均寿命と健康寿命から、公的年金の受給開始年齢を考える

配信日: 2021.07.15

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平均寿命と健康寿命から、公的年金の受給開始年齢を考える
社会保障改革が進むことで、社会全体として働く期間が延び、厚生年金の受給開始年齢も徐々に後ろ倒しになっています。
 
こうした情勢の中で、実際に自分の公的年金の受給開始はどういったタイミングにするのがいいのか、平均寿命と健康寿命の関係から考えてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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平均寿命と健康寿命とは?

平均寿命と健康寿命の定義はご存じですか?
 
・平均寿命
ある年齢の人が、平均してあと何年生きられるかを表したものを「平均余命」といい、0歳時における平均余命を「平均寿命」といいます。
 
例えば、平均寿命が80歳と発表された場合、その時点で0歳の人の平均余命=平均寿命で80歳となります。同じ時点で80歳以降の人については、そこからあと何年生きられるか平均余命が推計されるので、平均寿命よりも長くなっていきます。
 
・健康寿命
2000年にWHO(世界保健機関)が提唱した寿命についての指標で、「平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間」とされています。そのため、健康寿命の数値は必ず平均寿命より短くなっています。
 

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日本人の平均寿命と健康寿命の差はどうなっているの?

平均寿命と健康寿命の差を見ていきます。
「令和2年版厚生労働白書」によると、平均寿命と健康寿命の推移は以下のとおりとなっています。
 

    

男性 女性
平均寿命 健康寿命 平均寿命 健康寿命
2001年 78.07歳 69.40歳 84.93歳 72.65歳
2004年 78.64歳 69.47歳 85.59歳 72.69歳
2007年 79.19歳 70.33歳 85.99歳 73.36歳
2010年 79.55歳 70.42歳 86.30歳 73.62歳
2013年 80.21歳 71.19歳 86.61歳 74.21歳
2016年 80.98歳 72.14歳 87.14歳 74.79歳

※厚生労働省 「令和2年版厚生労働白書」より筆者作成
 
上記の表からも分かるように、平均寿命の延びとともに健康寿命も延びています。また、平均寿命と健康寿命は男性で8歳程度、女性で12歳程度も差があります。
 

公的年金の受給開始年齢は?

公的年金制度は国民年金と厚生年金に大きく分かれています。
 
国民年金は制度の施行当初から支給開始年齢が65歳でした。厚生年金については、前身である労働者年金制度がスタートした当初の支給開始年齢は55歳でしたが、その後に数度の法改正を経て、2000年(平成12年)の改正で60歳から65歳へと引き上げられ、その変更が2030年度の完了に向けて実施されている段階です。
 
原則として国民年金、厚生年金の受給開始は65歳となりますが、現時点の制度でもどちらの年金も繰り上げ、繰り下げによって60~70歳の間での受給開始時期を選択できます。繰り上げについては1月当たり0.5%の減額(2022年4月1日以降、60歳に到達する方は0.4%に改正)、繰り下げについては0.7%の増額が伴いますが、いずれも申請が必要な点に注意が必要です。
 
繰り下げ受給の開始年齢については、2022年4月から75歳まで拡大されますが、企業の定年年齢延長など社会情勢の変化に合わせて、さらに改正されていくことも考えられますので、特に若い世代の方は今後の状況を注視していく必要があるでしょう。
 

年金受給のタイミングはどうするのが良い?

では、公的年金の受給開始はどのタイミングにするのが良いのでしょうか?
 
これはライフプランや価値観にもよりますが、例えば早く仕事をリタイアして、少しでも年金生活を長くしようというのであれば、60歳での繰り上げ受給も選択肢の1つとなるでしょう。
 
また、健康寿命まではしっかり働いて、その後の生活や老人ホームなどにかかる費用に公的年金を充てるという受給方法もあります。健康寿命や寿命自体は予測不可能なものですが、少しでも長く生きることを想定して働く期間を延ばし、公的年金の受給開始を上限まで繰り下げることで年金を多く受け取るという考え方もあるでしょう。
 

まとめ

以上、簡単ではありますが、平均寿命と健康寿命の関係から年金受給のタイミングを考えてみました。
 
今後も公的年金制度はさまざまな変更が発生するかと思います。知らないと損をしてしまうこともありますので、今回の記事を1つの参考に、日ごろからアンテナを高くして自身でも年金について調べてみると良いのではないでしょうか。
 
出典
厚生労働省 令和2年版厚生労働白書 -令和時代の社会保障と働き方を考える-
厚生労働省 いっしょに検証!公的年金 50~60代の皆さんへ
厚生労働省 繰下げ制度の柔軟化
日本年金機構 年金制度、被保険者証等の変遷(年表)
厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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