2022年改正でiDeCo(個人型確定拠出年金)はどう変わる?

配信日: 2021.07.26

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2022年改正でiDeCo(個人型確定拠出年金)はどう変わる?
誰でも節税と老後の資産形成を効率よく行える手法として人気となっているiDeCoが、2022年より内容が一部変更となります。
 
長期間加入するiDeCoで損をしないためには、改正について早めに把握しておかなければなりません。2022年に施行されるiDeCoの改正点について解説していきます。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

65歳未満の方まで加入可能に

2022年5月の改正内容で最も注目すべき点といえば、iDeCoが65歳未満まで加入可能になる点です。これまで加入できるのは60歳未満とされていましたが、高齢者の就労が今後さらに拡大していくことを踏まえた改正となります。
 
しかし、60歳以降で加入するには、国民年金に任意加入しているか、第二号被保険者(厚生年金加入者)であることが必要であるため、年金制度に入らずiDeCoのみ、ということはできないことには注意が必要です。
 
また、65歳よりも前に年金を繰上げ受給している場合も、iDeCoには加入できないことも一緒に覚えておいてください。
 

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受取時期が75歳まで拡大

iDeCoはこれまで60歳から70歳の間で受取時期を任意に決定することができました。
 
しかし、公的年金の受給開始年齢が75歳まで繰下げ可能になることに併せ、2022年4月以降はiDeCoの受給開始年齢が公的年金同様、60歳から75歳までの間で選ぶことができるようになります。
 

海外居住者も加入可能に

これまで海外居住者(国内非居住者)は日本の公的年金制度から外れるため、基本的にiDeCoには加入できませんでした。しかし、2022年5月からは海外居住者であっても国民年金に任意加入していればiDeCoに加入できるようになります。
 

脱退一時金の受給要件見直し

iDeCoの大きなデメリットとして、一度加入したら原則途中で脱退できず、60歳までは拠出してきた掛け金を受け取ることができないという点がありました。また、中途引き出しが例外的に認められるのは国民年金の保険料免除者に限られていました。
 
しかし、2022年5月からは、国民年金被保険者となれない方でも、掛け金の拠出期間が短く、拠出合計額が少ないなど一定の要件を満たす方は、iDeCoの脱退一時金を受け取れることとなりました。
 

企業型DC加入者のiDeCo加入要件緩和

これまで企業型DC加入者のうちiDeCoに加入できるのは、労使合意に基づく規約の定めがあり、かつ事業主掛金の上限を引き下げた企業の従業員に限られていました。これが2022年5月からは規約や事業主による掛け金の上限引き上げがなくとも、iDeCoに加入できるようになります。
 
ただし、一定の拠出限度額の範囲内かつ、企業型DCの加入者掛金の拠出(マッチング拠出)を選択している場合や、企業型DCの事業主掛金が月単位ではなく年単位の拠出となっている場合などは、iDeCoには加入できないといった制約は残ります。
 


出典:厚生労働省 2020年の制度改正
 

制度間の年金資産の移換(ポータビリティ)の改善

iDeCoの課題の1つに、退職などに伴いDBやDCからのiDeCoへの資産の移換が不便であることが挙げられ、過去何度か改正が重ねられてきました。
 
今回の改正では2022年5月から、「終了した確定給付企業年金(DB)からiDeCoへの年金資産の移換」と、「加入者の退職等に伴う企業型DCから通算企業年金への年金資産の移換」が可能となり、より制度間の年金資産の移換が便利になっていきます。
 

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iDeCoは改正のたびに内容を精査すること

iDeCoは長期間加入することが前提の制度です。iDeCoで形成した資産は老後の収入減少をカバーする大切な柱にもなるものです。少しの変化だと気にとめなくても、それが数十年後の老後に大きく響くことがないとは言い切れません。
 
今回の改正内容はもちろんですが今後iDeCoに改正があるたびに、その内容について都度精査して理解していくようにしてください。
 
出典
厚生労働省 2020年の制度改正
みずほ銀行 海外居住となった場合、iDeCoは加入できなくなりますか
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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