更新日: 2021.07.26 iDeCo(確定拠出年金)

50代に入って老後が不安……今からiDeCoに入っても遅いでしょうか?

執筆者 : 柘植輝

50代に入って老後が不安……今からiDeCoに入っても遅いでしょうか?
老後2000万円問題のあおりを受けて急に不安を感じ、少しでも将来に備えようとiDeCoへの加入を考える50代の方も出てきているようです。
 
この年齢では既にiDeCoへ加入する時期としては遅すぎるのでしょうか。50代からのiDeCo加入について考えていきます。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

50代からの加入でも遅くはない

50代でiDeCoへの加入を考えている方に伝えたいのは「iDeCoは50代から加入しても遅くはない」ということです。
 
しかし、50代から入ると、最長でも15年(2022年に65歳まで加入可能になる期間を含む)しか加入できないなどの点から、加入にあたっては20代や30代、40代までの方と比べて特に慎重な判断を要します。
 

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50代からでも遅くない理由

50代からiDeCoに加入しても遅くはない、といった理由は主に下記の2点からです。
 

(1)高い節税効果
(2)2022年から65歳まで加入できるようになる

 

高い節税効果

iDeCoは拠出時、運用によって得た利益、受取時の3段階に分けてそれぞれ節税効果が生じます。拠出した掛け金は全額控除の対象になり、運用によって得た利益は全額非課税に加え、受取時は退職所得または公的年金等として控除を受けることができます。
 
特に所得が20代30代の頃よりも高くなっている50代ともなれば、控除の効果は一定以上見込むことができます。
 

2022年から65歳まで加入できるようになる

現在、iDeCoは60歳までしか加入できません。しかし、2022年5月から一定の要件の下、最大65歳まで加入できるようになります。また、iDeCoの強みは長期間積み立てることでリスクを極限まで減らして運用し、節税効果と併せて、ただ貯蓄するよりも資産を効率よく安全に増やしていける点にあります。
 
これまで50代前後で加入をためらっていた方の中には、この時間に関する部分が長期ではなく短期になるリスクを恐れてということも少なくはないでしょう。
 
しかし、5年延長されることを踏まえると、堅実な運用をすれば、節税効果も合わせて50代からでも加入する価値を十分見出すことができると考えます。
 

50代からiDeCoに加入する際の注意点は?

50代からiDeCoに加入する際の最大の注意点としては、運用期間が短くなることを見込んだ出口戦略です。iDeCoは掛け金を自分の指図の下、運用するということで、運用方針によっては元本割れのリスクが生じます。
 
タイミングによっては運用により生じた損失をリカバリーする時間が無くなることもあるため、基本的にリスクの低い金融商品で運用していくことが求められます。
 
また、iDeCoには通算加入者等期間と呼ばれる、給付を受けるために最低限加入しなければならない期間が設定されています。50代からiDeCoへ加入する場合は必ず60歳から受け取れるわけではないということを覚えておいてください。
 
なおこの期間は企業型確定拠出年金に加入していた期間と通算し、カウントすることができます。
 

通算加入者等期間 受給可能年齢
10年以上 60歳から
8年以上 61歳から
6年以上 62歳から
4年以上 63歳から
2年以上 64歳から
1ヶ月以上 65歳から

※筆者作成
 

50代からでもiDeCoの加入は間に合う

iDeCoは資産形成の手段であるため長期間加入するほど有利な制度ですが、50代からの加入でも必ずしも遅いというわけではなく、メリットとデメリットを理解してしっかりと出口戦略を立てることで、十分その恩恵を受けることができます。
 
50代でiDeCoの加入を考えているのであれば、十分に考え、リスクをなるべく減らした方針で加入と運用をするようにしてください。
 
出典
厚生労働省 2020年の制度改正
企業年金連合会 通算加入者等期間
 
執筆者:柘植輝
行政書士