更新日: 2021.07.30 その他年金

年金の繰り上げと繰り下げ。手続きのタイミングはいつ? 手続きを失念した場合は?

年金の繰り上げと繰り下げ。手続きのタイミングはいつ? 手続きを失念した場合は?
働き方やライフプランは人それぞれです。早めに退職して年金の繰り上げ受給を予定している方もいれば、老後も働いて年金の繰り下げ受給を考えている方もいることでしょう。
 
いずれにしても、年金の繰り上げと繰り下げの手続きはいつ行えばいいのでしょうか。また、手続きを失念した場合はどうすればよいのでしょうか。
 
昭和16年4月2日以降に生まれた方を例に、年金の繰り上げ・繰り下げ受給の手続きについて確認していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金の繰り上げ受給と手続きのタイミング

年金の繰り上げ受給とは、原則65歳から受け取れる公的年金について、60歳から64歳11ヶ月の間で受給開始時期を早めることです。繰り上げは1ヶ月単位でできますが、1ヶ月繰り上げるごとに0.5%減額(最大で30%減額)された年金額を生涯にわたって受け取り続けることになります(※2022年4月1日以降は減額率が0.4%)。
 
また、一度繰り上げの手続きをすると、あとから取り消しや変更はできません。
 
60歳から65歳までの間であれば、いつでも繰り上げ受給の手続きをすることができます。ただし、実際に年金が支給されるのは繰り上げ請求をした月の翌月からとなるため、年金を受け取りたいタイミングで手続きすることが大切です。
 

年金の繰り下げ受給と手続きのタイミング

一方、年金の繰り下げ受給とは、原則65歳から受け取れる公的年金について、66歳以降から70歳までの間で受給開始時期を遅らせるものになります。繰り上げと同様に1ヶ月単位となり、1ヶ月当たり0.7%増額(最大で42%増額)された年金額を将来にわたって受け取り続けます。
 
なお、2022年4月1日以降は受給開始時期が拡大され、75歳まで繰り下げることが可能になります(最大で84%増額)。
 
繰り下げ受給に特別な届出は不要であり、年金の請求を65歳で行わなければ自動的に繰り下げが適用されます。そして、受け取りたい時期に年金請求書を提出すれば、請求した月の翌月から増額された年金を受け取れるようになります。
 

手続きを忘れてしまったらどうなる?

年金の繰り上げや繰り下げの手続きを忘れてしまうとどうなるのでしょうか。順に見ていきます。
 

繰り上げ受給の場合

年金の繰り上げの手続きは65歳に達するとできません。また、繰り上げ請求は請求書を提出して行うのですが、請求書が受理された日に効果が生じ、その翌月分から繰り上げによって減額された年金が支給されることになります。繰り上げはさかのぼって行うことができないため、失念しないように計画的に手続きをするようにしてください。
 

繰り下げ受給の場合

繰り下げについては前述のとおり、65歳で年金の請求手続きをしない限り自動で適用されるため、手続きはそもそもありません。
 
ただし、年金が繰り下げの状態になっているときに受給のための請求をすると、増額された年金を繰り下げ受給した分として受け取るか、それとも65歳にさかのぼって本来支給されるはずだった金額分の年金を請求するかを選ぶことができます。
 
65歳にさかのぼって請求すると受け取れる年金は増額されない通常どおりの支給金額となること、また年金の請求権には時効(5年)があるため、70歳到達後に65歳までさかのぼろうとしても時効によって受け取れない部分が生じることに注意してください。
 

年金の繰り上げと繰り下げはタイミングに注意

年金の繰り上げと繰り下げ、ともに手続きや請求のタイミング次第では年金の受取額が変化し、将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 
年金は多くの方にとって老後の生活を支える基盤の1つとなるものです。年金の受給開始時期については60歳になる前に考え始め、60歳になったら明確な意志を持って繰り上げ・繰り下げ受給について選択をできるようにしていくべきでしょう。
 
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の繰上げ受給
日本年金機構 老齢基礎年金の繰下げ受給
日本年金機構 老齢厚生年金の繰上げ受給
日本年金機構 老齢厚生年金の繰下げ受給
日本年金機構 65歳前に年金を繰り上げて受け取りたいとき
日本年金機構 66歳以後に年金を繰下げて受け取りたいとき
厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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