更新日: 2021.08.11 その他年金

「ねんきん定期便」どこを確認すればいい? 最低限見ておきたいポイント

「ねんきん定期便」どこを確認すればいい? 最低限見ておきたいポイント
もう2年以上前ですが、「老後2000万円問題」という話題がありました。これは、老後の約30年間で約2000万円の生活資金が不足するという内容でした。老後の収入の柱といえば年金です。
 
今回は、将来いくら公的年金を受給できるかを確認できる「ねんきん定期便」についてみていきます。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

ねんきん定期便とは? どうやって手に入れるの?

「ねんきん定期便」は、保険料納付の実績や将来の年金給付に関する情報を厚生年金保険および国民年金の加入者に送られてくるものです。これは、誕生月の2ヶ月前に作成され、誕生月にお手元に届くように、本人あてに送られてきます。
 
基本的にははがきで送られてきますが、節目年齢(35歳、45歳、59歳)には封書で送られてきます。
 

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送られてくるはがきはどのように見るの?

まず、50歳未満の方に送られてくるはがきを見てみます。このはがきは3つ折りの圧着はがきで送られてきて、開くと下記のようになっています。覚えておいてほしい部分を見ていきますと、
 


 
1. 最近の月別状況
ここには、直近の加入記録が記載されています。まず、国民年金(第1号・第3号)納付状況ですが、こちらは国民年金保険料を納めている月であれば「納付済」、納めていなければ「未納」、その他状況によって「免除」「猶予」「学特」「未加入」などの表記がされます。
 
厚生年金保険の加入区分は、会社員の方であれば「厚年」、公務員の方であれば「公共」などと表示され、給与や賞与の水準によって決められている「標準報酬月額」や「標準賞与額」が記載されています。
 
また育児休業期間・産前産後休業期間で、事業主からの届け出により保険料が免除されている月は保険料納付額が「0」と表示されます。
 
2. <棒グラフ>これまでの加入実績に応じた年金額(今年)
実際には棒グラフの上には、「ねんきん定期便」の作成時点の年金加入実績に応じて計算した具体的な年金額(年額)が記載されています。あくまで作成時点の額ですので、今後納付期間が長くになるにつれてこの欄の金額は増えていきます。
 
3. 照会番号
「ねんきん定期便」「ねんきんネット」専用番号に照会する際に使用する問い合わせ番号を表示しています。
 
4. これまでの保険料納付額(累計額)
国民年金保険料(第1号被保険者期間)」欄では、付加保険料納付済期間は付加保険料額を含め、国民年金保険料の前納期間は割引後の保険料額を基に、追納期間は加算額を含めた保険料額を基に、そして一部免除期間は、免除後の残余の保険料額を基に計算された金額が記載されています。
 
また、「厚生年金保険料(被保険者負担額)」欄では、加入当時の報酬(標準報酬月額・標準賞与額)に、加入当時の保険料率(掛金率)を乗じた被保険者負担額のみが記載されています。
 
5. これまでの年金加入期間
「国民年金 第1号被保険者」欄の月数は、保険料を納めている期間および保険料が免除された期間の月数を表示しています。
 
6. これまでの加入実績に応じた年金額
上記の「これまでの加入実績に応じた年金額」の内訳です。
 

50歳以上は?

大枠では50歳未満と変わりませんが、下記のように裏面の真ん中に老齢年金の種類と見込額(年額)が記載されています。
 


 
大きく分けると4つあり、そのうち左側3つは「特別支給の老齢厚生年金」とありますが、こちらは男性の場合は昭和36年4月1日以前生まれ、女性の場合は昭和41年4月1日以前生まれで老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があり、厚生年金保険等に1年以上加入しており、60歳以上であることが要件です。
 
そしてこの条件に該当しない場合は、1番右側にある「老齢基礎年金」および「老齢厚生年金」のみとなります。 この金額は、現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定した見込額が記載してあります。
 

一度確認してみよう

今回は50歳未満の方の「ねんきん定期便」をメインに見てきましたが、記載内容は見方を覚えればそれほど難しい内容ではありません。年に一度はご自身の将来の年金額を確認して、将来いくら必要でいくら足りないのかを考える材料にしてみてはいかがでしょうか。
 
(出典)
日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和3年度送付分)」
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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