更新日: 2021.08.13 その他年金
年収400万円と年収800万円、年金にどのような差がある?
今回は年収400万円と年収800万円の例を基に、65歳から受け取れる老齢年金にどのような差がつくのか見ていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
年金の決まり方について知る
まずは年金の決まり方について知っていきましょう。年金には大きく分けて国民年金と厚生年金とがあり、それぞれ受け取る年金額の計算式が異なります。
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国民年金は年収によって差はつかない
国民年金は、20歳以上60未満の日本に住んでいる全ての方が原則加入します。厚生年金に加入している方も、国民年金に加入しています。
国民年金の受給額は年収には左右されず、保険料の納付状況によって変わります。保険料の納付状況が同じであれば、年収400万円も年収800万円も同じ金額を受け取ることになります。
国民年金の受給額は下記のような計算式で算出されます。
出典:日本年金機構 「老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」
上記の計算式を簡単に説明すると、40年分の保険料を納めていれば満額である年額78万900円(月額6万5075円)が受け取れるということです。満額となる40年分に満たなければ、納付月数や免除などの理由に応じて、その分が減額されるという仕組みとなっています。
なお、国民年金の保険料については年収に関係なく、令和3年度の場合は月額1万6610円です。
年収によって差がつくのは厚生年金
年収によって差がつくのは厚生年金の方です。厚生年金に加入するのは、いわゆる正社員の方や一定時間以上勤務する契約社員、派遣社員、パート、アルバイトの方になります。
65歳以降に受け取る厚生年金は次のような計算式で算出されます。
65歳以降の厚生年金額=報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額
上記のうち、特に支給額の中心となるのは報酬比例部分になります。
この報酬比例部分は上限こそあるものの、厚生年金に加入していた期間の給与に比例して高くなっていきます。厚生年金が給与に比例して高くなるという理由は、主にここにあるのです。
厚生年金の受給額の計算は複雑であるため、年収400万円と年収800万円の場合を分かりやすく比較できるよう、下記の条件で年金額を試算していきます。
●30歳男性
●22歳から60歳の間で厚生年金に加入
●65歳で年金の受け取りを開始
●賞与は月給に換算して計算
●三井住友銀行の年金試算シミュレーションで試算
年収400万円の場合
年収400万円の場合、将来受け取れる厚生年金の金額は毎月9万5000円が目安になります。国民年金を満額受け取れるのであれば、厚生年金と国民年金で毎月の年金額は16万円ほどです。
厚生年金の保険料については毎月3万円前後が目安となります。
※令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)による
年収800万円の場合は?
年収800万円の場合、将来受け取れる厚生年金の金額は毎月12万7000円が目安になります。満額の国民年金を含めると、毎月の年金額は19万円ほどです。
保険料については毎月5万9000円前後が目安となります。
※令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)による
試算による厚生年金の受給額は、年収800万円で月額12万7000円、年収400万円でも月額9万5000円を受け取れることを考えると、年収に2倍の差があっても受給額が倍になるわけではないようです。
年収400万円より800万円の方が厚生年金の保険料と受給額ともに高くなる
国民年金は年収による差がつかないものの、厚生年金は基本的に年収が高いほど保険料も受け取れる年金額も高くなっていきます。そのため、国民年金も合わせて年収400万円より年収800万円の方が将来受け取れる年金は多くなります。
ただ、今回のデータはあくまでも簡易的なシミュレーションによる試算の結果です。厚生年金の給付額はさまざまな要因によって変化するため、自身が将来受け取れる年金については、ねんきん定期便などで具体的な金額を定期的に確認するようにしてください。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
日本年金機構 老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
三井住友銀行 年金試算シミュレーション
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)
執筆者:柘植輝
行政書士