国民年金保険料の免除。免除割合はどのように決められる?
配信日: 2021.08.13
免除の割合はどのように決まっていくのでしょうか。国民年金保険料の免除について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
国民年金保険料の免除制度とは?
国民年金保険料の免除とは、本人・世帯主・配偶者の前年の所得が一定額以下の場合や失業などにより、国民年金の保険料を納めることが経済的に困難な場合、本人からの申請に基づき保険料の支払いが免除される制度です。
免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1に区分されており、収入によって免除される割合が異なります。
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免除の基準は?
国民年金保険料の免除の割合は、前年の所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)を基準に決められます。
免除の割合に応じた所得の基準(令和3年度)は以下のとおりですが、失業状態にあったり、ひとり親に該当したり、個別の事情によっては基準が異なるケースもあります。詳細は住民登録をしている市(区)役所、町村役場の国民年金担当窓口へお問い合わせください。
全額免除
前年の所得が下記の計算式で算出した金額の範囲内であれば、保険料について全額の免除を受けることができます。
(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
4分の3免除
前年の所得が下記の計算式で算出した金額の範囲内であれば、保険料について4分の3の免除を受けることができます。
88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除
前年の所得が下記の計算式で算出した金額の範囲内であれば、保険料について半額の免除を受けることができます。
128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除
前年の所得が下記の計算式で算出した金額の範囲内であれば、保険料について4分の1の免除を受けることができます。
168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
新型コロナウイルス感染症の影響による特例
現在(令和3年8月時点)は国民年金保険料の免除について、新型コロナウイルス感染症の影響により保険料の納付が困難となった方への特例措置が用意されています。
具体的には、令和2年2月以降の収入について下記2つの要件を満たすことが必要です。
(1)新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した
(2)令和2年2月以降の所得状況から、当年中の所得が現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になると見込まれる
申請手続きなどの詳細については、住民登録をしている市(区)役所、町村役場または年金事務所へお問い合わせください。
国民年金保険料の免除の効果は?
国民年金の保険料が免除されると、その期間は保険料が納付されたものとして、将来年金を受け取るために必要な受給資格期間に算入され、かつ、免除の割合ごとに一定額が年金額にも反映されます。
免除割合 | 年金へ反映される金額 |
---|---|
全額免除 | 保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1 |
4分の3免除 | 保険料を全額納付した場合の年金額の8分の5 |
半額免除 | 保険料を全額納付した場合の年金額の8分の6 |
4分の1免除 | 保険料を全額納付した場合の年金額の8分の7 |
※日本年金機構 「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」より筆者作成
なお、免除された期間がある方が将来受け取る国民年金を満額にするには、免除されてから10年以内に追納の手続きをして保険料を納める必要があります。
国民年金保険料の免除の割合は収入によって異なる
国民年金保険料が免除となるか否か、そして免除の割合は収入によって異なります。
また、収入の減少となる理由が失業や新型コロナウイルスの影響などである場合、通常より緩和された要件で免除を受けることが可能になります。
国民年金保険料の納付が困難となったときは、無理して納めたり、未納のまま放置したりするのではなく、今回紹介した保険料の免除制度の利用を検討してください。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について
執筆者:柘植輝
行政書士