家賃収入がある場合、年金受給額はどうなる?
配信日: 2021.08.15
実際、収入によって年金の受取額が減少することもあります。では、その収入源が家賃収入であった場合、年金の受取額にどう影響を与えるのでしょうか。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
収入によって年金が減るのは在職老齢年金があるから!
在職老齢年金とは、60歳以降、厚生年金に加入して働きながら受け取る厚生年金のことです。在職老齢年金は60歳から64歳までと、65歳以降とに分けて考えます。
60歳から64歳までの間は、基本月額(加給年金を除く、老齢厚生年金の年額を12で割った額)と総報酬月額相当額(月給、厳密には標準報酬月額に、直近1年間の標準賞与額を12で割った額を足した額)の合計額が28万円を超えると、65歳以降では47万円を超えると、受け取れる厚生年金の金額が徐々に減少していくという仕組みです。これが、収入によって受け取る年金の額が減少するといわれる理由です。
理論上、厚生年金に加入していなければ、収入がいくらあっても在職老齢年金によって年金が減ることがありません。
例えば、60歳の方が厚生年金を受け取りながら3ヶ所の事業所で働いていたとしても、全ての事業所において短時間勤務であるなどの理由から厚生年金に加入していなければ、収入が28万円を超えていても在職老齢年金の対象とはならず、年金額が減らないことになります。
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家賃収入がある場合の在職老齢年金は?
在職老齢年金の基準となる収入は、給与と賞与です。つまり、会社から労働の対価として受け取る報酬になります。
そのため、厚生年金に加入していても家賃収入は在職老齢年金の対象とならず、年金に影響を及ぼしません。仮に家賃収入が28万円を超えていようが、47万円を超えていようが、全く年金には影響しないのです。
国民年金の受取額への影響は?
国民年金にも家賃収入は全く影響しません。そもそも在職老齢年金は60歳以降に老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入している方が、一定以上の報酬を受け取っているときに受け取る年金が減少するという制度です。そのため、国民年金の受取額にも家賃収入は一切影響しません。
家賃収入以外にも在職老齢年金の対象とならないものはある?
家賃収入以外以外にも、下記のようなものが在職老齢年金の対象とならない収入になります。
●フリーランスの方などが業務委託契約で得る報酬
●自営業での収入
●株の配当や売却益
●厚生年金に加入しない範囲の労働時間で得た給与や賞与
要は給与・賞与以外の収入や、厚生年金に加入しないように働いて収入を得るようにすれば、収入を確保しながら年金を減額されることなく受け取れるということです。
家賃収入は在職老齢年金にかからない
家賃収入をはじめ、不労所得や業務委託契約など厚生年金の被保険者とならない働き方に基づく報酬などは、いくらあっても在職老齢年金によって年金の受給額が減らされることはありません。
給与収入があると在職老齢年金の対象となって年金が減ることはあるものの、それはあくまで厚生年金に加入しており、かつ、勤務先から一定額以上の給与を受け取っているような場合です。
もし現在、家賃収入が既に生じていたり、将来的に資産運用などで家賃収入の取得について考えている方はご安心ください。家賃収入は年金に影響しません。安心して家賃収入を得てください。
出典
日本年金機構 60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法
日本年金機構 65歳以後の在職老齢年金の計算方法
執筆者:柘植輝
行政書士