年金に関する郵便物、いつまで保管が必要?

配信日: 2021.08.20

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年金に関する郵便物、いつまで保管が必要?
年金に関する郵便物には、「ねんきん定期便」や障害年金・遺族年金を受け取る際の「年金証書」などがあります。これらの郵便物はいつまで保管しておくべきなのでしょうか。
 
それぞれの特徴と保管期間、そして紛失した際の手続きについても解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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ねんきん定期便には2種類ある

毎年誕生日月に届くねんきん定期便は、はがきタイプのものと封書タイプのものがあります。基本的にははがきタイプのものが届きますが、節目の年といわれる35歳、45歳そして59歳の時には封書で届きます。
 

■50歳未満と50歳以上で内容が異なる

ねんきん定期便に記載されている内容は、50歳未満と50歳以上で異なります。50歳未満の場合は、それまでの加入実績を基に計算した年金額が表示されていますが、50歳以上の場合は現在の加入条件が60歳まで続いた場合の受け取れる年金額が表示されています。
 
50歳未満の方は、毎年ねんきん定期便を受け取った際に、内容に不明な部分がないかを確認し、不明な点がなければ1年間保管しておくとよいでしょう。
 
そして翌年ねんきん定期便が届いた際に再度内容を確認し、加入実績とともに年金額がどのように変わったかをチェックした後、最新のものを控えておくことをおすすめします。
 
50歳以上の場合も同様に、届いた際には内容に不明な部分がないかを確認し、もしも受け取れる額が前年と変わっている場合は、その理由を確認しておくことが大切です。
 
例えば、昨年よりも収入が下がったなどの場合は、前年のねんきん定期便に記載されている受取額よりも少なく表記されていることがあります。
 
(出典:日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド」(※1))
 

■封書のねんきん定期便は長期保管を

封書で届くねんきん定期便には、これまでの加入実績が細かく記載されています。内容に誤りがあった場合には年金事務所に連絡し、訂正してもらう必要があります。
 
また、封書で届くのは節目の年であり、年金を受け取るまでの3回のみです。したがって、次の封書が届くまでは封書のねんきん定期便は保管しておくとよいでしょう。
 

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年金証書とは?

年金証書とは、年金を受けることができる権利を証明するものです。年金を受ける権利を得た時に、年金事務所に請求を行い、その後に届きます。年金証書は老齢年金を受け取る時だけではなく、障害年金および遺族年金を受け取る権利を得て、請求を行った際にも送付されます。
 
(出典:日本年金機構「年金証書」(※2))
 

■年金証書は必ず保管を

年金証書は年金を受ける権利を得て、その受給を請求し、受給が決定した際に送られてくるものですが、その後のさまざまな届け出の時に必要となります。届け出が必要なケースとして、以下のものが挙げられます。


・被保険者資格の取得・喪失、被扶養者関係届:従業員を採用した時や、従業員が70歳になった時など
・被保険者関係届:被保険者の住所および氏名変更など
・報酬月額等関係届:定時改定や随時改定により報酬月額の届け出や改定を行うなど
・産休・育休等関係届:産前産後休暇中に保険料の免除を受けようとするなど
・年金手帳の再交付を受けようとする時など

届け出の際に年金証書が必要になるのは、老齢年金や障害年金、遺族年金を受け取っている方です。いずれの年金も受給していない方は、基礎年金番号がわかるものが年金証書の代わりとなります。
 

ねんきんネットの活用

封書タイプのねんきん定期便を最低10年間保管しておくのはなかなか難しいかもしれません。引っ越しをしたり、部屋の模様替えをしたりするなどした際に、誤って他の書類と一緒に捨ててしまう可能性があります。
 
また、家の中を整理するために、できるだけ紙媒体のものは置いておきたくない、という方もいらっしゃるかもしれません。ねんきん定期便を紛失してしまった方やはがき・封書を希望しない方が活用できるのがねんきんネットです。
 

■ねんきんネットでできること

ねんきんネットに登録することで、以下の内容を確認できます。


1.自分のこれまでの年金記録
2.将来の年金見込み額
3.電子版ねんきんネットの閲覧
4.日本年金機構から送られてくる書類の確認

 

■ねんきんネットの登録方法

ねんきんネットの登録には、基礎年金番号とメールアドレスが必要です。また、マイナポータルと連携させることで簡単に登録もできます。
 
毎年届くねんきん定期便には「アクセスキー」が記載されていますので、有効期間内であれば、そのアクセスキーを使うことですぐにユーザーIDが発行されます。
 
アクセスキーがわからない、もしくは有効期間が過ぎている場合は、日本年金機構のサイトから申し込むことで、後日ユーザーIDが送られてきます。ログインの際にはこのユーザーIDが必要ですので、忘れないように保管しておきましょう。
 
ちなみにねんきんネットから、ねんきん定期便の郵送を不要とする設定を行うことも可能です。
 

まとめ

ねんきん定期便は、届いたらすぐに内容を確認し、不明な点があった場合はすぐに年金事務所に問い合わせを行いましょう。不明な点がなかったとしても、次のねんきん定期便が届くまでは保管しておくようにしましょう。
 
紙ベースの保管が面倒だと思われる方は、ぜひねんきんネットを活用してみてください。また、年金証書は重要な書類なので、絶対になくさないように保管しておきましょう。
 
出典
(※1)日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド」
(※2)日本年金機構「年金証書」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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