離婚する場合、年金はどのように分割される? 要件や時効を確認!

配信日: 2021.09.19

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離婚する場合、年金はどのように分割される? 要件や時効を確認!
離婚をしたときは、婚姻中に築いた財産だけでなく、婚姻期間に応じて厚生年金の記録も分割することができますが、年金の分割とはどのように行われるのでしょうか。
 
分割の要件や期限など、離婚と年金について疑問の生じやすい部分について解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金分割とは

年金分割とは離婚をした際、夫婦の婚姻期間中における厚生年金の記録(厚生年金の支給額の計算の基となる標準報酬月額・標準賞与額の記録)を分割し、それぞれの年金とすることができる制度です。
 
年金分割により、婚姻期間中にパートとして働いていた方や、専業主婦だったという方が、それらの理由から将来受け取れる年金が少なくなってしまう問題が緩和されることになります。
 
年金分割には「合意分割制度」と「3号分割制度」がありますが、それぞれに要件などが異なるので順に見ていきます。
 

合意分割制度

合意分割制度は、下記の要件を満たすことで離婚時に当事者の一方、あるいは双方からの請求によって、婚姻期間中の厚生年金記録を当事者間で合意した割合(50%が上限)で分割できる制度です。


(1)婚姻期間中に請求相手に厚生年金の記録(標準報酬月額・標準賞与額)がある
(2)当事者の合意、または裁判手続きによって分割割合を定めている
(3)請求期限(原則、離婚などをした日の翌日から起算して2年以内)を経過していない

上記の(3)にあるとおり、合意分割には離婚などをした日の翌日から2年以内という請求期間が定められています。基本的に期間を過ぎると分割ができなくなる点に注意してください。
 
また、合意とは言いいつつも、話し合いがまとまらない場合は裁判での分割も可能となっているのも合意分割の特徴です。なお、請求に当たって後述する3号分割の対象期間も含まれる場合は、合意分割と同時に3号分割の請求もあったものとして取り扱われます。
 

3号分割

3号分割とは離婚などをして以下の条件に該当したとき、国民年金第3号被保険者であった方の請求により、婚姻期間中(3号被保険者期間)における相手の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で2分の1ずつ分割できる制度です。


(1)婚姻期間中、平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)がある
(2)請求期限(原則、離婚などをした日の翌日から起算して2年以内)を経過していない

国民年金第3号被保険者は、厚生年金に加入している配偶者に扶養されている夫や妻であり、専業主婦や扶養内でパート勤務などをしている方が該当します。
 
3号分割は合意分割と異なり、当事者間での合意や、それに代わる裁判上での手続きなどは不要となる点、分割の割合は自動で2分の1とされる点に注意してください。また、3号分割も合意分割と同様に、2年という請求期間があります。
 

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年金分割の手続きは年金事務所に要確認

年金分割の手続きは、合意分割と3号分割で変わります。また、合意分割でも合意ができるか否かによって流れが変わります。
 
年金分割を行うのであれば、2年の期限を意識して、速やかに最寄りの年金事務所に自身が年金分割の対象になるのか確認し、手続きの内容についても問い合わせるようにしてください。
 

年金分割は2年以内の手続きが必須

婚姻期間の厚生年金の記録を分割する年金分割は、離婚など婚姻を解消してから原則2年以内の手続きが必要です。離婚の前後はさまざまな手続きなどで忙しい状態が続くと思いますが、年金分割も将来に向けた大切な手続きになります。
 
年金分割という制度があること、また離婚しても自動的に年金が分割されるわけではないことを知っておき、請求期限が過ぎる前に手続きを完了できるようにしてください。
 
出典
日本年金機構 離婚時の年金分割
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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