青色の年金手帳が2冊ある人は要注意。加入記録にズレがないか確認しよう!
配信日: 2021.10.26
もし、あなたが年金手帳を2冊持っている場合、そのまま放置していると年金の加入記録に影響する恐れもあります。年金手帳が2冊ある場合の注意点について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
年金手帳とは
年金手帳とは、基礎年金番号、氏名、生年月日、手帳の交付年月日など、年金について大切な情報が記載されている手帳であり、公的年金に加入している証明となるものでもあります。
そのため、年金手帳は就職や転職、そのほか年金関係の手続きをする際に必要となります。
過去にはオレンジ色や茶色の年金手帳が発行されていた時期もありますが、現行では青色の年金手帳が発行されています。
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青色の年金手帳が2冊ある場合は基礎年金番号を確認
青色の年金手帳が2冊ある場合でも慌てる必要はありません。
まずはそれぞれの年金手帳にある基礎年金番号を確認してください。そこに記載されている基礎年金番号が同じであった場合、特に手続きの必要はなく、保管しておく年金手帳はどちらか1冊だけで問題ありません。
もし、それぞれの年金手帳で違う基礎年金番号が記載されていたら要注意です。この場合、複数の年金の加入記録がそれぞれの基礎年金番号に分散して管理されている可能性があります。
基礎年金番号は国民年金、厚生年金など全ての公的年金制度で共通して、1人に1つの番号となっていることとの関係上、2冊の手帳で番号が異なる場合、それぞれが別人の番号であると判断されてしまいます。
その結果、何もせずに放置していると加入記録が通算されず、記録と実態との間にズレが生じてしまい、将来受け取れる年金額が少なくなる恐れがあります。
2冊の手帳で基礎年金番号が違う場合はどんな手続きが必要?
2冊ある青色の年金手帳に記載されている基礎年金番号が違う場合は、年金の加入記録を一本化する手続きが必要になります。
この手続きは難しいものではなく、例えば現在、厚生年金に加入している場合は勤務先の社会保険担当の方に、それ以外の場合は最寄りの年金事務所に年金手帳を提出し、基礎年金番号を一本化したいと伝えることで、あとは勤務先または年金事務所で手続きを行ってくれます。
基礎年金番号の一本化には明確な期限はないのですが、手続きにはある程度の時間がかかることや年金手帳の紛失などのリスクも考慮し、できるだけ早めに行うことをおすすめします。
年金手帳は廃止となると聞いたけど、どう扱うべき?
2022年4月以降、年金手帳の新規発行はなくなり、基礎年金番号が記載された基礎年金番号通知書に切り替わります。
これにより年金手帳は廃止される流れになりますが、既に交付されている年金手帳については、引き続き年金に関する手続きに利用できるため、大切に取り扱うべきです。また、廃止後に年金手帳を失くして再発行する場合は、年金手帳ではなく基礎年金番号通知書が交付されます。
まとめ
青色の年金手帳が2冊ある場合、それぞれの基礎年金番号を確認してみてください。番号が同じであれば問題ありませんが、もし番号が異なっていると加入記録が通算されず、実際の加入実績とのズレが生じて将来受け取る年金に影響が出る可能性があります。
複数の年金手帳で基礎年金番号が異なっているときは、加入記録のズレを修正するためにも勤務先または最寄りの年金事務所にて、速やかに基礎年金番号を一本化する手続きを取るようにしてください。
出典
日本年金機構 年金手帳が複数冊あります。どうすればいいですか。
厚生労働省 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要
執筆者:柘植輝
行政書士