「年金制度は信じられない」と未納を続けた夫。家族に影響があるのはどんなとき?

配信日: 2021.11.10

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「年金制度は信じられない」と未納を続けた夫。家族に影響があるのはどんなとき?
年金制度への不信感など、何らかの理由から国民年金保険料を支払わない方が令和2年度においてはおおよそ30%程度いらっしゃいます。保険料の未納は本人だけでなく家族へ影響することもあります。
 
もし、夫が国民年金保険料の未納を続けている場合、家族にはどのような影響があるのでしょうか。年金制度の未納と家族への影響を確認していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

夫が年金保険料を未納に。家族への影響は?

夫が国民年金保険料の未納を続けてしまった場合、家族へは主に次のような影響が起こります。

●将来年金を受け取れない
●本人や家族の財産が差し押さえられる
●夫が亡くなったときに遺族基礎年金を受け取れない
●夫に万一のことがあったときに障害年金を受け取れない

それぞれ具体的にどういうことなのか確認していきます。
 

将来年金を受け取れない

国民年金は保険料の納付や免除・猶予を受けた期間が原則10年以上無ければ受け取ることができません。未納が続くとこの条件を満たさず、将来年金を受け取ることができずに世帯の収入が減少し、家族の生活が困窮する可能性があります。
 

本人や家族の財産が差し押さえられる

国民年金の保険料は税と似たような取り扱いがされており、未納が続くと催告状や督促状が届くようになり、最終的に本人の財産が差し押さえられることになります。
 
差し押さえられる財産は本人が保有している自宅や車などのほか、預貯金や株といった金融商品なども含まれます。未納状態であったところ、ある日突然口座が差し押さえられるということも起こり得ます。また、国民年金保険料はとりわけ特殊であり、本人だけではなく配偶者や世帯主の財産が差し押さえられることもあり、ある日突然家族の財産まで差し押さえられるということも決してあり得ないことではないのです。
 

夫が亡くなったときに遺族基礎年金を受け取れない

遺族基礎年金は死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないことが支給要件とされています(令和8年3月末までの特例)。
 
遺族基礎年金は亡くなった方の遺族の生活保障として支給される年金ですが、夫が保険料を未納の状態で亡くなってしまうと、遺された家族が遺族基礎年金を受け取れず生活に困窮する恐れがあります。
 

夫に万一のことがあったときに障害基礎年金を受け取れない

国民年金には障害基礎年金の制度があり、病気やケガによって仕事や生活に支障が出るとその度合いによって障害基礎年金が支給されます。
 
しかし、障害厚生年金は遺族基礎年金同様、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないことが支給要件とされています(令和8年3月末までの特例)。万一の際に保障を受けられないと、家族の負担がその分重くなることになります。
 

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国民年金保険料が払えないときは?

国民年金保険料を支払わない理由に「生活に余裕がない」など金銭的な理由が絡む場合、免除や猶予の制度を申し出るようにしてください。
 
免除や猶予が認められると、保険料を実際には払わずとも、差し押さえや年金給付が受けられないといったことを避けることができます。免除・猶予の手続きは住民票を有している市区町村役場にて行います。詳細は市区町村役場へご確認ください。
 

国民年金保険料の未納は家族にも影響する

国民年金保険料の未納の影響は本人だけではなく大切な家族にも影響します。今回の事例のように夫が保険料の未納を続けていると、将来的に本人が年金を受け取れないだけでなく、妻の財産が差し押さえられたり、万一の際に遺族に年金が支払われないこともあります。
 
年金制度が信じられないからと未納を続けるのではなく、年金保険料の納付は義務だと割り切り納付をするか、未納に金銭的な理由があれば、正当な手続きを踏み、猶予・免除を受けるようにしてください。
 
出典
厚生労働省 令和2年度の国民年金の加入・保険料納付状況について
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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