更新日: 2021.12.16 その他年金

ねんきん定期便に「合算対象期間」の記載があると、年金受給額にどんな影響があるの?

ねんきん定期便に「合算対象期間」の記載があると、年金受給額にどんな影響があるの?
毎年誕生月になると送られてくる「ねんきん定期便」。開封すると「合算対象期間」という項目があることに気づく人も多いでしょう。合算対象期間は「カラ期間」とも呼ばれており、年金の受給資格期間には含まれますが、年金額には反映されない期間のことです。
 
今回は、合算対象期間にあたる期間とは何なのか、なぜ導入されたのか、年金受給額にどのような影響があるのかについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

ねんきん定期便で確認できる合算対象期間とは

 

合算対象期間(カラ期間)とは、次のような人が年金の受給資格取得期間を満たせるように作られた期間です。

●国民年金への加入が「義務」ではなく「任意」だった時代に、国民年金に任意加入しなかった人
●国民年金の被保険者の対象となっていなかった人

ここでは合算対象期間となる主なケースや、合算対象期間が生まれた背景にある年金制度の変遷について見ていきましょう。
 

合算対象期間となる主なケース

合算対象期間となる主なケースとは、次のとおりです。

●1961年5月1日以降、海外に住んでいた期間
●1991年3月以前に学生だったが、国民年金に任意加入しなかった期間
●1986年3月以前に国民年金に任意加入できたが、主婦であったので任意加入しなかった期間

なお上記の「期間」とは「20歳以上60歳未満の期間」を指します。
 
国民年金に任意加入したものの保険料が未納となっている期間なども合算対象期間です。
 

合算対象期間はなぜ導入されたの?

合算対象期間が生まれた背景にあるのが、1961年に「国民皆年金」体制がスタートし施行された国民年金制度です。すでに運用されていた厚生年金保険や共済組合などの加入期間を通算して、年金の受給資格期間を計上することになりました。
 
ところが本格的な高齢化社会の到来を考慮して1985年に制度が改正され、女性の年金権が確立されるまで専業主婦(夫)などの国民年金への加入は任意だったのです。つまり長らく多くの専業主婦(夫)などは、保険料未納の状態でした。
 
その結果、保険料未納であることから受給資格期間を満たさないとみなされ、無年金となることを避ける必要性が生じたのです。そこで導入されたのが「合算対象期間」という考え方でした。
 
なお、年金制度の変遷に伴い任意で加入しなかった場合のほか、制度面の特定の事情で加入しなかった期間も合算対象期間とされています。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

合算対象期間と免除・猶予期間との違い

 

図表1では、合算対象期間と年金保険料の免除・猶予期間にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
 
図表1

受給資格期間への算入 年金額への反映 年金保険料の追納の可否
合算対象期間 × ×
免除の承認を受けた期間 減額 10年以内
猶予の承認を受けた期間 × 10年以内

 
年金額には反映されませんが、受給資格期間とみなせるのが合算対象期間です。
 
年金保険料の納付について免除や承認を受けた期間とは異なり、保険料の追納を行って将来に受け取れる年金額を増すことはできません。
 

合算対象期間が適用されない年金とは?

 

受給資格期間に算入される合算対象期間の適用を受ける公的年金は、老齢基礎年金や老齢厚生年金のみです。
 
合算対象期間は、以下の公的年金の受給資格期間には算入されません。

●障害基礎年金
●遺族基礎年金
●旧法の年金

合算対象期間とは、年金制度の変遷や制度面で被保険者の対象でなかったなどの事情で加入しなかった期間のために、当該本人が「老後」に無年金で困る事態を回避する措置だと知っておきましょう。
 

受給資格期間に含められるが年金額には反映されない

 

ねんきん定期便に記載されている「合算対象期間」。合算対象期間はカラ期間とも呼ばれており、制度が変遷するはざまで、老後の無年金状態を回避するために導入された期間です。
 
合算対象期間とみなされる期間は、「老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給資格期間のみ」に算入されます。合算対象期間に記載があると、老齢年金の受給資格期間に算入されますが、年金額には反映されません。
 
年金保険料納付の免除・承認を受けた期間とは異なり、年金保険料の追納もできません。
 
出典
日本年金機構 合算対象期間
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集