更新日: 2022.06.01 iDeCo(確定拠出年金)

iDeCoをe-Taxで確定申告する場合に必要なものって? 申請の流れを解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

iDeCoをe-Taxで確定申告する場合に必要なものって? 申請の流れを解説
iDeCoの加入要件が緩和され、主婦なども加入できるようになり、加入者数が増加しています。iDeCoで投資信託などを積み立て購入し、実現益が出ても課税されないのがメリットですが、もっと確実に得られる利益は、iDeCoに払い込んだ資金がその年の所得から控除され、税金が節約できることです。
 
サラリーマンの場合は年末調整で会社が税務上の処理をしてくれますが、自営業者や主婦などは自分で確定申告をしないと、iDeCoの所得控除が利用できません。今はe-Taxを活用すれば、簡単な確定申告ならデータの送信だけで完了できます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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iDeCoは掛け金が所得控除の対象となる

自営業者の国民年金保険料や、サラリーマンが払う厚生年金保険料は所得控除の対象になります。健康保険料や雇用保険料も同様です。また民間の生命保険会社などで年金保険に加入している場合も一部は所得控除として認められます。iDeCoはそれらと並んで「小規模企業共済等掛金控除」という控除が認められています。
 
控除額は積立額の全額が認められますので、毎月1万円積み立てしていたら年間12万円の控除となります。仮に所得税20%、地方税10%の人の場合なら、課税所得が12万円減ることになりますので、12万円の30%(20%+10%)で3万6千円もの節税ができるのです。これは自助努力で老後の資金を準備することを国が応援してくれるからです。
 
注意しなければならないのは、所得控除のメリットがあるのは、所得があり納税している場合です。主婦などで税金を払わない限度で働いているという場合には、戻ってくる税金がそもそもありません。その人の所得水準によって具体的な節税金額は違ってきます。
 
iDeCoに確定申告は必要? 必要なケースと必要でないケースを解説

確定申告を行ってメリットがあるのはフリーランスや所得が発生した主婦など

フリーランスも含めた自営業者、つまり誰かに雇用されていない形態で働いている人は、一定の収入があれば確定申告を行って納税する必要があります。一方で確定拠出制度がない企業に勤めているサラリーマンが自発的にiDeCoに加入した場合に、時期的に年末調整に間に合わない場合など、確定申告を行う方がよい場合があります。
 
また主婦でも、普段の年は収入がなくても、たまたま相続した不動産を売却して譲渡所得が生じた場合などは、その確定申告に合わせてiDeCoの控除を受けることができます。どんな形でも課税される所得が生じたら、iDeCoの控除は効果が生じます。
 

e-Taxを使えば確定申告はとても簡単にできます

確定申告は分かりにくいと思われがちですが、基本的な仕組みは年末調整と同じことです。全ての収入を足し上げて課税所得を算出し、そこからもろもろの控除を差し引いてから所得税額を確定して、源泉徴収で既に支払った税額との差を精算するプロセスなのです。
 
サラリーマンからフリーランスに転身した人などは慣れないので面倒かもしれませんが、まずその仕事が事業所得か雑所得か、仮に事業所得だとして青色申告を届け出るかどうかなどを決めてしまえば、今は便利なクラウド会計などがありますので、事務負担は非常に小さくなっています。
 
e-Taxを行うにはマイナンバーカードが必要です。ID・パスワード方式でも行えますが、マイナンバーカードが普及するまでの暫定措置とされています。スマホでも確定申告はできますが、事業所得が発生するフリーランスでは、パソコンとICカードリーダライタを準備することをお勧めします。
 
パソコンで国税庁のホームページから確定申告データを作成して、それをベースとして毎年利用することもできるからです。パソコンは必要なスペックが国税庁のホームページで確認できますが、普通のレベルのもので十分です。ICカードを読み取るリーダライタは家電量販店で売られています。
 

国税庁の確定申告作成コーナーから指示通り数字などを打ち込めば申告は完成

e-Taxでも確定申告書作成のための資料を準備して、iDeCoなら加入している運営管理機関から送られてきた払込証明書など、給与所得があれば源泉徴収票、事業所得なら納品書などの売上証憑や領収証などの経費書類、銀行預金の写しなど、あらゆるデータ、証明書、証憑などをまとめておくことが事前に必要になります。
 
それらの準備さえできれば、あとは国税庁の確定申告書等作成コーナーに入って「作成開始」をクリックし、指示に従って数字とデータを打ち込むだけで申告書は完成します。
 
iDeCoは収入・所得金額入力の次の、所得控除入力の画面で「小規模企業共済等掛金控除」の項目をクリックすれば入力できますので、証明書の通りに打てば、所得税の計算に反映されます。最終的には、紙で作成した申告書の形式で確認できますので、漏れがないようによく注意してください。
 
ホームページで作る確定申告データはいったん保存して修正することもできますので、あわてずにこまめに保存しながら作成すれば、初めてでもうまくいくはずです。完成したらマイナンバーカードを読み取らせて、間違いなくその人の申告書であることを証明したうえでデータを送信します。
 
所得の内容によっては資料の現物を税務署に送付するよう求められる場合もありますが、通常はデータ送信だけで完了します。また確定申告の受付は2月の半ばからですが、税金が戻る還付申告は1月から受け付けていますので、iDeCoの申告でお金が戻ってくる人は、早期申告で早期の還付も期待できます。
 

iDeCoでスマートに税のメリットを享受しよう

iDeCoは、個人が老後資金を蓄えることを国が支援する制度で、入り口の掛け金拠出段階と、資産運用段階での税のメリットが手厚く設計されています。最低限の知識があれば、税金の確定申告はそう難しくありません。丁寧に、漏れのないように資料を整理しておけば、あとはe-Taxの仕組みを使って、ホームページの指示に従い自分で申告書を完成させることができます。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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