更新日: 2022.01.27 その他年金

このままだと将来の年金受給額が不十分……50代からできる年金を増やす方法とは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

このままだと将来の年金受給額が不十分……50代からできる年金を増やす方法とは?
50代になって老後が具体的に見えてくると、十分な年金収入が見込めないことに気づいて不安になる人もいるでしょう。
 
そのようなときは、50代からできる年金を増やす方法に取り組んで、年金受給額をできるだけ増やす努力をするのがおすすめです。
 
ここでは、50代からでも取り組める年金を増やす方法を3つ取り上げて、年金が増える仕組みや効果を解説します。将来に備えて、対策を検討しましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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確定拠出年金に加入する

確定拠出年金は私的年金のひとつで、掛け金の金額と、掛け金を加入者が運用した結果(利益、損益)に応じて、給付額が決まる年金制度です。確定拠出年金に加入することで、公的年金とは別立てで、老後の年金収入を確保できます。
 
確定拠出年金には掛け金を勤務先の事業主が拠出する企業型(企業型DC)と、加入者が自分で拠出する個人型(iDeCo)があります。企業型DCには勤務先に制度がなければ加入できませんが、iDeCoには、原則20~60歳未満の全ての人が加入可能です。
 
企業型DCの規約で認められている場合には、両方への加入もできます。確定拠出年金には、次の大きなメリットがあります。


・掛け金が非課税になる(加入者拠出分は全額所得控除、事業主拠出分は全額損金算入)
・運用中の運用益が非課税になる
・給付時に控除が受けられる

年収600万円の人が50歳でiDeCoに加入して、毎月2万円を60歳まで10年間拠出した場合の節税効果と、運用益の見込み額は、以下のとおりです。


・元本:240万円
・運用益※想定利回り3%の場合:約39万5000円
・税軽減額:約48万円(所得税:約24万円、住民税:約24万円)

※iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」および国税庁「資産運用シミュレーション」を用いた概算値です。
 
50歳からのスタートでも十分な積み立てと節税効果が得られることが分かるでしょう。
 

国民年金保険料を追納する

国民年金保険料の免除・納付猶予などを利用した期間や、未払いの期間がある場合には、老齢基礎年金の受給額が少なくなります。しかし、あとから保険料を納付する「追納」を利用すると、年金額の増額が可能です。
 
ただし、追納できる保険料は追納が認められた月よりさかのぼって10年以内のものに限られます。過去10年に免除・納付猶予、未納がある場合は、早めに手続きをしましょう。
 
また、免除や納付猶予を受けた期間の翌年度から3年度目を過ぎて追納する場合は、経過期間に応じた加算額が保険料に上乗せされることにも、注意が必要です。
 
追納できる保険料の有無や金額は、ねんきんネットを利用して確認できます。追納を希望する場合は、マイナンバーカード(またはマイナンバーが確認できる書類+身元確認書類)と申請用紙を年金事務所持参または郵送して、申し込みましょう。
 
     

国民年金の付加保険料を納める(第1号被保険者)

自営業の人など国民年金第1号被保険者に該当する人は、定額の保険料に上乗せして納める「付加保険料」の制度を利用できます。
 
付加保険料とは、毎月の定額保険料に月額400円を上乗せすることで、年金受給額を増額できる制度です。付加保険料を納めると、納付月数×200円の付加年金額が、年金額(年額)に加算されます。
 
50歳から60歳になるまでの10年間(120月)付加保険料を納めると、付加年金額200円×120月=2万4000円が老齢基礎年金の年額にプラスされる計算です。
 
月額にすると2000円と少額ですが、老齢基礎年金を2年間以上受給すれば、納めた付加保険料以上の付加年金を受け取れるため、制度を利用する価値はあるでしょう。
 

自分に合った方法で年金額を増やそう

50代からでも年金額を増やすにはさまざまな方法があります。誰でもできる方法と条件が合えば利用できる方法があるため、ご自身に合ったものを選択して、できるだけ早い時期から取り組むとよいでしょう。
 
また、50歳から始めても年金額が不足しそうな場合、将来的には、定年後にも働く、年金の繰り下げ受給をするといった選択をすることも想定しておく必要があります。老後を迎えてから慌てないように、しっかりシミュレーションしておくことが大切です。
 
出典
金融庁 資産運用シミュレーション
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】 かんたん税制優遇シミュレーション
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 付加保険料の納付のご案内
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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