ねんきん定期便の「年金見込額」より実際の受給額が少なかった。何が原因?
配信日: 2022.01.29
年金見込額よりも受給額が減る主な3つの理由について、本記事で解説します。参考にして、受給額が少なかった理由を明確にしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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ねんきん定期便の「年金見込額」とは
ねんきん定期便には年金見込額が記載されます。年金見込額とは、加入実績に応じて将来受給できる年金額が試算されたものです。年金見込額が記載されるタイミングや試算の対象となる年金について見ていきましょう。
年金見込額はどこに記載されている?
ねんきん定期便には2種類あり、毎年送られてくるはがきタイプと、35歳・45歳・59歳時に送られる封書タイプがあります。年金見込額が記載されるのは、以下のタイミングで送付されるねんきん定期便です。
・50歳以上の人に毎年送られるはがき
・59歳時に送られる封書
年金見込額の対象は?
年金見込額として試算される対象は、老齢基礎年金および老齢厚生年金のみです。対象外となる年金には以下のものがあります。
・障害年金
・遺族年金
・加給年金
・振替加算
これらは年金見込額に含まれないため、将来受け取る年金受給額との差が生まれます。
*年金受給者の方が行う試算の場合、試算時点の本人の年金記録情報(登録されている配偶者情報を含む)に基づいて「加給年金」や「振替加算」も試算しています。
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ねんきん定期便の「年金見込額」より受給額が少ない理由
ねんきん定期便に記載されている年金見込額よりも受給額が減るケースがあります。なぜ受給額が年金見込額よりも減るのか、理由を3つ解説します。
税金や社会保険料が差し引かれる
年金は、受給の際に税金や社会保険料が差し引かれます。差し引かれる内容は以下の5つです。
・所得税
・住民税
・介護保険料
・国民健康保険料
・後期高齢者医療保険料
上記が引かれるため、実際に受け取る段階になると想定よりも受給額が少なくなります。対象となる人については、図表1を参照しましょう。
年齢・受給額・各種控除など、さまざまな要件によって税金や社会保険料を納付する対象であるかが変わります。自身が対象であるか確認しましょう。
収入が減った
年金見込額は、試算時と同様の保険料を以降も納めたと想定して試算します。そのため、年金見込額試算時よりも収入が減り、納付額が変化した場合は年金受給額が少なくなります。
加入期間が短くなった
年金の受給額は、加入期間によっても増減するものです。年金見込額は60歳到達時の前月まで納めたと想定して計算するため、試算時の条件よりも加入期間が短いと年金受給額も減ります。
ねんきん定期便の年金見込額は参考にとどめよう
ねんきん定期便に記載される年金見込額はあくまでもシミュレーションであり、確定した受給額ではありません。納付内容が変わると受給額にも影響が出るため、年金見込額は参考程度にとどめておくとよいでしょう。
より詳しい年金見込額が知りたい場合は、年金事務所で相談したり、ねんきんネットを使用したりしましょう。そうすることで、配偶者の情報や今後の加入予定など細かな条件を加味して見込額を算出できます。
ねんきん定期便に書かれる年金見込額よりも、さらに受給額に近い見込額を把握できるでしょう。
出典
日本年金機構「「ねんきんネット」の年金見込額試算の対象となる年金は何ですか。」
国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を天引きされるのはどのような人ですか。」
日本年金機構「「ねんきん定期便」の「老齢年金の見込額」欄(50歳以上60歳以下の場合)に表示されている金額と、年金事務所の来訪相談で試算した金額が違いますがどうしてですか。」
日本年金機構「「ねんきん定期便」の「老齢年金の見込額」(50歳以上の方)が昨年の見込額より減額されています。どうしてですか。」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員