夫婦の年の差がある場合、妻の年齢が上か下かで年金受給額に大きな差があるって本当?

配信日: 2022.01.29

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夫婦の年の差がある場合、妻の年齢が上か下かで年金受給額に大きな差があるって本当?
夫婦の年の差がある場合、妻の年齢が上か下かで年金受給額に差が生まれると聞いたことがありませんか? 夫婦に年の差があって妻の年齢が下であれば、受給できる年金額が増える制度があります。
 
本記事では、年の差夫婦の年金受給額について解説します。実際受け取れる年金額はいくらになるのでしょうか。受給できる条件についても触れるため、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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夫婦に年の差があると受け取れる加給年金

 
夫婦に年の差があり、夫が年上で妻が年下の場合、夫は加給年金と呼ばれる年金を受給できます。そのため、年の差のない夫婦と比べると受給額に差が生まれるでしょう。加給年金は、夫婦に年の差があればあるほど年金を多くもらえる制度です。
 
ここでは、加給年金によって受給できる金額について解説します。受給条件もあわせて確認しましょう。
 

加給年金とは

加給年金とは、厚生年金保険の被保険者に配偶者、または子どもがいると受け取れる年金です。夫が定年を迎えて収入が減った場合でも、加給年金が支給されることでまだ若い配偶者や子どもの生活費として活用できます。
 

加給年金の受給条件

夫婦の年の差がある際に、加給年金が支給されます。加給年金を受給するための条件として、以下の3点を見ていきましょう。


・厚生年金の被保険者期間が20年以上
・被保険者である夫が65歳到達時点に、妻の年齢が65歳未満である
・夫に生計を維持されている

なお、子どもがいる場合も加給年金の支給対象となります。18歳となった年度末までか、1級・2級の障害がある20歳未満の子どもがいれば加給年金が支給されます。 

加給年金を受給するための生計維持とは

配偶者が以下の状態の場合は生計が維持されていないとみなされ、加給年金の受給条件には当てはまりません。


・配偶者である妻が20年以上厚生年金に加入した
・妻の年収が850万円以上(所得が655万5000円以上)
・被保険者である夫と妻が同居してない

妻が厚生年金に20年以上加入したり年収が850万円以上あったりすると、生計が維持されていないとして加給年金の受給条件から外れます。
 
生計維持の条件には、同居が挙げられます。なお同居していない場合でも被保険者である夫が妻に仕送りをする・健康保険の扶養親族であるなどであれば、生計が維持されていると認められます。
 

夫婦に年の差があると年金受給額はどうなる?

夫婦に年の差があった場合、加給年金はいくら受給できるか計算しましょう。加給年金の受給額は、年額22万4700円(令和3年度額)です。さらに、配偶者の年齢により3万3200円~16万5800円の特別加算額があります。
 
夫婦の年齢差がある際、加給年金額がいくらになるでしょうか。以下は妻が昭和18年4月2日以後の生まれだとして計算した例です。
 
加給年金年額22万4700円+特別加算額16万5800円=年額39万500円
 
年の差があると妻が65歳になるまで受給できる期間が長いため、加給年金額は増えます。夫婦の年齢差ごとに、受給できる加給年金総額は図表1のとおりです。
 
図表1

夫が65歳到達時の妻の年齢 受給額
60歳(5年受給) 39万500円×5年=195万2500円
55歳(10年受給) 39万500円×10年=390万5000円
50歳(15年受給) 39万500円×15年=585万7500円

 
夫婦の年の差が5歳の場合は195万2500円、15歳差となれば585万7500円となるなど、年の差が大きくなるにつれ受給できる年金額は増えます。扶養されている妻が年上である場合は加給年金が支給されないため、さらに大きな差となるでしょう。
 

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加給年金打ち切り後に受け取れる振替加算

夫婦に年の差があると受給できるのは加給年金だけではありません。振替加算と呼ばれる制度によっても年金受給額が増えます。
 
しかし、振替加算は加給年金を受給していた夫婦であれば必ず支給される年金ではないため、改めて受給要件を確認しなくてはなりません。ここでは、振替加算とは何か、また受給できる人の条件について解説します。
 

振替加算とは

加給年金は、配偶者が65歳になると打ち切られます。その際、加給年金が打ち切られた夫に代わり、妻に支給される年金が振替加算です。
 

振替加算の受給条件

振替加算を受給できる人は以下のとおりです。


・加給年金の対象となっていた人が大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれている

・妻(夫)が老齢基礎年金の他に老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険および共済組合等の加入期間をあわせて240月未満

・妻(夫)の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降の(夫は40歳以降の)加入期間が15~19年未満

加給年金とは受給条件が違います。そのため、加給年金を受給したからといって、振替加算の対象となるとは限りません。
 

夫婦の年の差によって年金受給額が変わる

夫婦の年齢差によって、受給年金額は変わります。しかし、年の差があるだけで年金受給額が増えるのではなく、さまざまな条件があるため確認するとよいでしょう。
 
本記事では、年上の夫が主に働く夫婦を例にシミュレーションしました。しかし妻が年上であっても、妻が主に働いて夫の生計維持をするなどの受給条件に当てはまれば、同じように加給年金が受給できます。
 
出典
日本年金機構「加給年金額と振替加算」
日本年金機構「生計維持」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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