更新日: 2022.02.01 その他年金
年金に加入していた夫が亡くなった。1人になった妻にはどのような給付がある?
本記事では、遺族年金の種類や手続き方法について詳しく解説します。遺族年金は条件によって支給されないケースもあるため、制度の仕組みを正しく理解しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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遺族年金とは
遺族年金は、国民年金か厚生年金保険の被保険者が亡くなったときに、被保険者に生計を維持されていた妻などの遺族が受け取れる年金です。
亡くなった人の年金加入状況により、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」のいずれか、または両方を受け取れます。まずは、2つの年金について内容を詳しく見ていきましょう。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、下記で挙げるいずれかの要件を満たしている人が受給できます。
●国民年金の被保険者である間に死亡したとき
●国民年金の被保険者である60歳以上65歳未満の人で、日本国内に住んでいる人が死亡したとき
●老齢基礎年金の受給者だった人が死亡したとき
●老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡したとき
受給対象者は、死亡した人に生計を維持されていた「子どものいる配偶者」「子ども」です。遺族厚生年金があれば、あわせて受給ができます。
したがって、「子どもがいない妻」「子どもが18歳以上になった妻」の場合は対象外です。なお、妻の年齢が40歳以上65歳未満なら、「中高齢寡婦加算」が加算されます。
遺族厚生年金
次に、遺族厚生年金の受給要件を見ていきましょう。
●厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
●厚生年金の被保険者期間に、初診日があるけがや病気が原因で5年以内に死亡したとき
●老齢厚生年金の受給者だった人が死亡したとき
●老齢厚生年金の受給資格を満たした人が死亡したとき
●1・2級の障害厚生年金を受け取っている人が死亡したとき
遺族厚生年金は、死亡した人に生計を維持されていた遺族の中で、優先順位がもっとも高い人が受給できます。優先順位は、表1を参考にしてください。
(表1)
優先順位 | |
---|---|
1 | 子がいる妻 子がいる55歳以上の夫 |
2 | 子 |
3 | 子のない妻 |
4 | 子のない55歳以上の夫 |
5 | 55歳以上の父母 |
6 | 孫 |
7 | 55歳以上の祖父母 |
なお、30歳未満で子どもがいない妻の場合は、受給できる期間は5年のみです。
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遺族年金の手続き方法
遺族年金は、年金請求書と必要書類を準備して、遺族基礎年金のみの請求であれば、お住まいの市区町村役場の窓口に、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方の請求であれば、年金事務所に請求します。「年金請求書」は、年金事務所か、お近くの年金相談センターにあります。
年金請求書と一緒に必要な書類は、下記のとおりです。
●年金手帳
●戸籍謄本
●死亡診断書
●受取先の金融機関の情報がわかるもの(通帳など)
●世帯全員の住民票の写し
●亡くなった人の住民票の除票
●請求者の収入が確認できる書類
●子の収入が確認できる書類
マイナンバーを記入すれば、世帯全員の住民票の写しから下の書類は省略可能です。必要書類が多いため、できる限りマイナンバーを記入したうえで、年金請求書を提出しましょう。
なお、亡くなった人の死亡原因が第三者行為の場合は、必要書類が変わってきます。第三者行為事故現状届や交通事故証明、損害賠償金の算定書などが必要になるので、申請前に一度、年金事務所に相談することをおすすめします。
遺族年金の請求手続きは速やかに
年金に加入していた夫が亡くなったときに、妻が1人の場合、妻の年齢によって受け取れる遺族年金の種類や期間が変わります。遺族基礎年金は、子どもがいない妻で40歳以上65歳未満なら、その代わりとなる「中高齢寡婦加算」が加算されるでしょう。
また、遺族厚生年金も妻の年齢が30歳未満なら、受給できる期間は5年のみです。
遺族年金の内容は細かく、年金請求書の提出にも必要書類が多くあります。手続きの際にわからないことや不安なことがあれば、まずは一度年金事務所への相談をおすすめします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員