更新日: 2022.02.10 年金

年金を受給する前に亡くなったら、遺族はどのような給付が請求できる?

執筆者 : 柘植輝

年金を受給する前に亡くなったら、遺族はどのような給付が請求できる?
年金を受給することなく若くして亡くなった方の場合、要件を満たす遺族は、亡くなった方の年金加入実績などを基にして一定の給付を受け取ることができます。
 
年金の受給開始前に亡くなった方の遺族が受け取れる給付には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

国民年金からの給付

年金を受け取る前に亡くなった方が、死亡時に国民年金に加入し、かつ受給要件を満たしていた場合、遺族は国民年金から次のような給付を受けることができます。
 

遺族基礎年金

遺族基礎年金を受け取ることができるのは、亡くなった方に生計を維持されていた子のある配偶者、または子(18歳になった年度の3月31日までの間にある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方)です。
 
令和3年4月分からの遺族基礎年金は、配偶者が受け取るときは78万900円に子の加算額を加えた額、子が受け取るときは78万900円に2人目以降の子の加算額を加えた額になります。
 
【図表1】

子の人数 加算額
1人目および2人目 各22万4700円
3人目以降 各7万4900円

※筆者作成
 

寡婦年金

死亡日の前日において、国民年金第1号被保険者として保険料の納付期間と免除期間が合計10年以上ある夫の死亡時に、事実婚を含む10年以上の継続した婚姻関係にあり、夫に生計を維持されていた妻は、60歳から65歳になるまで寡婦年金を受け取れます。
 
寡婦年金として受け取れる金額は、夫の第1号被保険者期間で計算した老齢基礎年金額の4分の3となります。
 

死亡一時金

死亡一時金とは、第1号被保険者として保険料を納めた月数が36ヶ月以上ある方が、老齢基礎年金または障害基礎年金を受給しないまま死亡した場合、その方と生計を一にしていた遺族に支給されるものです。
 
対象は配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の中で優先順位の高い方となります。受け取れる金額は、保険料の納付月数に応じて12万円から32万円で、付加保険料を36ヶ月以上納付している場合は8500円が上乗せされます。
 
ただし、遺族基礎年金を受けられる場合は、支給の対象外となります。また、寡婦年金も受けられる場合、死亡一時金とどちらか一方を選択することになります。
 

厚生年金からの給付

亡くなった方が厚生年金に加入しており、下記の要件のいずれかに該当する場合、対象の遺族となる方は遺族厚生年金を受給できます。


・厚生年金保険の被保険者期間に死亡した

・厚生年金保険の被保険者期間に初診日がある病気やケガが原因で、初診日から5年以内に死亡した

・死亡時に1級または2級の障害厚生年金を受け取っていた

・老齢厚生年金の受給資格を満たしている(保険料納付済期間、免除期間、合算対象期間の合計が25年以上ある場合のみ)

配偶者や子のほか、父母、孫、祖父母まで、亡くなった方の死亡時に生計を維持されていた遺族であれば、年齢や給付期間などの要件はあるものの、広範囲の方が受給対象となります。
 
受け取れる年金額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で、さらに一定の要件に該当する妻には、中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算も上乗せされます。なお、遺族基礎年金と遺族厚生年金は合わせて受け取れます。
 

年金を受給する前に亡くなった場合、遺族が受けられる給付がある

年金受給前に亡くなってしまった場合でも、その方の年金の加入実績などに応じて、対象となる遺族の方は国民年金と厚生年金から一定の給付を受けることができます。
 
しかし、遺族への給付はいずれも詳細に要件が定められているので、特に支給される遺族の範囲については確認が必要です。
 
亡くなった方の年金に基づく給付を遺族の方が請求する場合、最寄りの年金事務所に相談するなど、受給要件や必要な手続きについて確認しながら進めていくようにしてください。
 
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 死亡一時金
日本年金機構 寡婦年金
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 年金の併給または選択
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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