更新日: 2022.02.17 その他年金

「遺族年金の支給額が少ない」と感じる遺族は多い。もしものとき、いくらもらえるか知っていますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

「遺族年金の支給額が少ない」と感じる遺族は多い。もしものとき、いくらもらえるか知っていますか?
「遺族年金の支給額は?」「遺族年金の種類や受給要件は?」など遺族年金に疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
 
国民年金や厚生年金の被保険者が亡くなった場合は、遺族年金を受け取ることが可能です。あらかじめ、遺族年金の受給要件や年金額を知っておくことは大切なことです。
 
ここでは、遺族基礎年金と遺族厚生年金、それぞれの受給要件と年金額について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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遺族年金とは

遺族年金は、国民年金や厚生年金の被保険者だった方が死亡した場合に、受給対象者となる遺族が受け取れる年金のことです。遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類あり、それぞれで受給要件や年金額が異なります。
 
死亡した方の年金加入条件などによって、遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらか、または両方を受け取ることが可能です。
 

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者など受給要件を満たす方が亡くなった場合に受け取れる年金です。亡くなった方に生計を維持されていた「子のある配偶者」や「子」が受給対象者となります。
 
また、遺族厚生年金を受給できる遺族は、遺族基礎年金をあわせて受給可能です。ここでは、遺族基礎年金の受給要件や年金額についてみていきましょう。
 

遺族基礎年金の受給要件

遺族基礎年金は、以下4つの要件のうち、いずれかを満たしている方が亡くなったときに受け取れます。


1. 国民年金の被保険者である間に亡くなったとき

2. 60歳以上65歳未満の国民年金の被保険者で日本国内に住所がある方が亡くなったとき

3. 老齢基礎年金の受給権者が亡くなったとき

4. 老齢基礎年金の受給資格を満たす方が亡くなったとき

※1、2の要件は亡くなる前日時点で保険料納付済期間が国民年金加入期間の3分2以上必要。

※死亡日が令和8年3月末日までで、亡くなった方が65歳未満の場合は、死亡日を含む月の前々月までの直近1年間に年金保険料未納がないこと。

※3、4の要件は合算期間(保険料納付済期間など)が25年以上ある方。
 

遺族基礎年金の年金額

遺族基礎年金の年金額は、図表1のとおりです。
 
図表1

子のある配偶者が受け取る場合 78万900円+子の加算額
子が受け取る場合 78万900円+2人目以降の子の加算額

※1人目・2人目の子の加算額:各22万4700円
※3人目以降の子の加算額:各7万4900円
 
例えば、配偶者と子ども1人の場合の遺族基礎年金額は100万5600円(78万900円+22万4700円)、配偶者と子ども3人の場合の受給額は130万5200円(78万900円+22万4700円+22万4700円+7万4900円)です。
 

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者が亡くなったときに遺族が受け取れる年金です。受給対象者は亡くなった方に生計を維持されていた配偶者や子になります。遺族厚生年金の年金額は亡くなった方の老齢厚生年金(報酬比例部分)によって変わります。
 
ここでは、遺族厚生年金の受給要件や受給できる年金額についてみていきましょう。
 

遺族厚生年金の受給要件

遺族厚生年金は、以下5つの要件のうち、いずれかを満たしている方が亡くなったときに受け取れます。


1. 厚生年金保険の被保険者である期間に亡くなったとき

2. 厚生年金被保険者期間に初診日があるケガ・病気が原因で5年以内に亡くなったとき

3. 障害厚生(共済)年金(1級・2級)の受給者が亡くなったとき

4. 老齢厚生年金の受給権者が亡くなったとき

5. 老齢厚生年金の受給資格を満たす方が亡くなったとき

※1、2の要件は死亡日前日時点で、免除期間を含む保険料納付済期間が国民年金加入期間の3分の2以上必要。

※死亡日が令和8年3月末日までで、亡くなった方が65歳未満の場合は、死亡日を含む月の前々月までの直近1年間に年金保険料未納がないこと。

※4、5の要件は合算期間(保険料納付済期間など)が25年以上ある方。
 

遺族厚生年金の年金額

遺族厚生年金の年金額は「亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」です。受給要件の1~3にあてはまり、報酬比例部分の厚生年金の被保険者期間が300月(25年)未満のときは300月として算出します。
 
また、老齢厚生年金の受給権利のある方が、配偶者が亡くなって遺族厚生年金を受け取る場合は、以下の2つの金額を比較して高いほうの金額が遺族厚生年金の受給額となります。


・亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3

・亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1と自身の老齢厚生年金の2分の1を合算

 

もしものときは遺族基礎年金(78万900円+子の加算額)+遺族厚生年金がもらえる

国民年金や厚生年金の被保険者など、遺族年金の受給要件を満たす配偶者が亡くなった場合は、遺族基礎年金や遺族厚生年金を受け取ることが可能です。ただし、受給できる対象者も要件を満たす必要がある点に注意してください。
 
遺族基礎年金は、子どものいる配偶者が受け取るときは「78万900円+子の加算額」、遺族厚生年金は「亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」です。
 
配偶者に万が一のことがあった場合は、市・区役所または町村役場の国民年金窓、年金事務所、街角の年金相談センターに相談をしてみましょう。
 
出典
日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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