健康な人にはおすすめ? 長生きするなら超お得な「トンチン年金」ってなに?
配信日: 2022.02.17
トンチン年金は終身年金制度のひとつで、最近では年金型の保険商品を指してよく使われています。ここでは、トンチン年金の特徴と、メリット・デメリットをまとめました。ぜひトンチン年金について理解を深めてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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「トンチン年金」は終身年金保険の一種
「トンチン年金」とは低解約返戻金型の終身型個人年金保険です。本来はイタリアの銀行家トンチが考案した終身年金制度を指していましたが、現在では保険商品の名称として使われるのが一般的です。
トンチン年金の主な特徴は次の2つです。
●生きている限り無期限で年金を受け取れる
●解約時や契約者死亡時の払戻金がない、もしくは少ない
生きている間は無期限で年金を受け取れる点が、トンチン年金の大きな特徴です。同じく個人年金保険の種類である確定年金や有期年金とトンチン年金の違いは、図表1のとおりです。
図表1
年金の種類 | 年金を受け取れる期間 | 被保険者死亡後の扱い |
---|---|---|
トンチン年金(終身年金) | 被保険者の存命中は無期限で年金を受け取れる | 相続できない ※国内で販売されているトンチン年金には保証期間がついており相続できるタイプもあり |
確定年金 | 被保険者の生死にかかわらず、決められた期間だけ年金を受け取れる | 被保険者が死亡したのちは遺族が残りを一時金、または年金として受け取れる |
有期年金 | 決められた期間だけ年金を受け取れる | 相続できない |
トンチン年金のもうひとつの特徴は、加入者が死亡すると、支払った保険金はほかの生きている加入者の年金を支払う財源になる点です。この性質上、解約時や契約者死亡時の払戻金がないか、もしくは非常に小さい金額に設定されています。
2つの特徴を考え合わせると、トンチン年金は、日本の公的年金制度によく似た性質の保険といえるでしょう。
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トンチン年金のメリット
トンチン年金の最大のメリットは、受給を開始したら、生きている間ずっと年金を受け取れる点です。老後の資金に十分に備えたつもりでも、想定よりも長生きした場合や、病気やけがなどが増えて思ったよりも出費が多かったり、予定より早く働けなくなったりした場合には、備えが不足することがあります。
トンチン年金への加入は、このような、いわゆる「長生きリスク」に対応する備えとなっています。
また、長く生きるほど保険金の受取累計額も増えていくため、健康に自信がある人にとっては、リターンが大きい保険だといえます。
トンチン年金のデメリット
トンチン年金の特徴でもある、解約時や死亡時の返戻金の少なさは、トンチン年金のデメリットでもあります。
例えば健康状態や経済状況などの変化によって途中解約をしたくなっても、解約時に戻ってくる金額は払い込んだ保険料より少ないのが一般的です。
また、死亡保障もないケースが多く、保険料払込期間中に亡くなった場合も保険料を全額取り戻すのは困難です。
さらに、払込総額に対して1回の受取額が少ないというデメリットもあります。少しずつ長期間にわたって年金形式で保険金を受け取るために、ある程度長生きをしなければ、受取総額が保険料の支払総額を大幅に下回るケースも珍しくありません。
商品によっては、70歳から受け取り始めて90歳を超えるまでは、受取総額が保険料の支払総額を超えないこともあります。そのため「元を取る」ということにこだわる人には、トンチン年金はあまり向かないかもしれません。
トンチン年金は長寿時代にぴったりの保険
生きている限り受給できるトンチン年金は、思ったよりも長く生きたときの資金不足や、けがや病気など想定外の事態の備えになる年金型の保険です。
ただし、相当な長生きをしなければ元を取れない商品も多く、解約時や死亡時の払い戻しが少ないといったデメリットもあります。
トンチン年金への加入を検討するときは、メリットやデメリット、注意点をきちんと理解して、自身に合った保険商品かどうかをよく検討しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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