更新日: 2022.02.25 年金

公務員は老後が安泰だというけど、会社員より年金はたくさんもらえる?

執筆者 : 柘植輝

公務員は老後が安泰だというけど、会社員より年金はたくさんもらえる?
「公務員だから老後は安泰だ」、FPとして相談を受けているとそう言われることがあります。実際のところ、会社員と比較して公務員は安泰といえるほど、たくさん年金をもらうことができるのでしょうか。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

公務員だから老後安泰という考えは間違いである

公務員だから老後安泰というのは、必ずしも現在の公務員全員に当てはまるわけではありません。それは平成27年10月以降、それまで公務員が加入していた共済年金が会社員などの加入する厚生年金に一本化され、公務員の特権ともいわれることのあった共済年金の給付内容などが見直されたことにより、以前ほど公務員の年金が優遇されなくなったからです。
 
具体的には、保険料率の引き上げ、公務員独自の上乗せ給付である職域部分の廃止が大きく影響します。
 
職域部分は廃止されたとはいえ、廃止前に献金の受給権を有していた方や加入期間のある方は、これまでの加入期間に応じた職域部分の支給がなされます。
 
また、公務員だけに限った話ではありませんが、少子高齢化によって今後、厚生年金も国民年金も受給額が減ったり、保険料の増加、受給開始年齢が遅くなるなど制度の変更が予想されます。
 
それらを踏まえると、現在共済年金を受給している方や、50代後半で年金の受給が目前に迫っているような方はともかく、40代以下の比較的若い現役世代においては、以前ほど「公務員だから老後は安泰だ」といえない状況になっています。
 

公務員は会社員より年金をたくさんもらえる?

共済年金と厚生年金が一本化され公務員と会社員の年金格差が縮まったとはいえ、基本的にはまだまだ、公務員は会社員より年金をたくさんもらえる可能性のある状況が続くでしょう。その理由は大きく分けて3つあります。
 
1つは職域部分の存在です。職域部分は制度としては廃止されたものの、廃止前に共済年金に加入していた方は、年金の受給が始まった際には加入期間に応じて職域部分についても支給がされます。
 
2つ目は年金払い退職給付の存在です。年金払い退職給付は、会社員でいうところの企業年金です。企業年金は全ての企業が有しているわけではない上、企業年金を有する企業でも経営状態が悪化すれば廃止となるものであり、公務員の年金払い退職給付と比べると不安定です。
 
3つ目は平均年収です。令和2年度において、正規雇用者の給与所得の平均給与は、賞与を含む年収ベースで495万7000円でした。
 
一方で地方公務員は月給のみで431万8740円、国家公務員は488万5836円です。公務員はそこにさらに、賞与が上乗せされます。
 
参考までに、国家公務員の2021年冬のボーナスは65万円でした。仮に夏冬同じ金額だとすると、国家公務員の平均年収は618万5836円程度と想定できます。厚生年金は上限こそあれど、基本収入が高ければ高いほど、将来受け取れる年金も増えます。
 
上記の3つの理由から、今後も多くの公務員は会社員より年金を多くもらえる状況が続くと想定できるのです。
 
ただ、確実に公務員と会社員の年金格差が縮まっていること、あくまでも統計上の平均値から導いた考えに基づくものであるため、働き方や本人のライフプランも含め、必ずしも公務員が会社員より恵まれている、公務員であれば老後安泰だというわけではないことにご留意ください。
 

公務員なら絶対安泰ではないが、会社員より多く年金をもらえる可能性はある

共済年金と厚生年金が一本化されたとはいえ、まだまだ公務員が会社員よりも多く年金をもらえる状況が続く可能性があります。
 
しかし、公務員が特別恵まれている、公務員なら老後安泰でずるい、と考えるのは現状にも未来にもプラスな影響は得られず、賢明ではありません。
 
公務員の方も会社員の方も、現状を冷静に見据え、自身の老後をどういったものにしていくか。他人と比較するのではなく自身の中で建設的に考えていくようにしてください。
 
出典
国家公務員共済組合連合会 平成 27 年 10 月から共済年金は厚生年金に統一されます
総務省 令和3年地方公務員給与実態調査結果等の概要より 2. 平均給与月額
国税庁 民間給与実態統計調査結果
産経新聞 国家公務員に冬のボーナス、平均65万円 4年連続マイナス
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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