更新日: 2022.03.15 年金

年金は何歳から受給するのが一番お得?繰上げ・繰下げの分岐点とは?

年金は何歳から受給するのが一番お得?繰上げ・繰下げの分岐点とは?
2022年4月から改正年金法の一部が施行され、年金受給開始の繰り上げと繰り下げによる受給額の幅が、大きくなります。受給を開始すると後で変更はできず、老後の生活に影響を与えるため、受給開始時期の判断は重要です。
 
この記事では繰り上げと繰り下げによる年金受給額の違いをまとめており、各受給開始年齢での分岐点を紹介しています。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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2022年4月から繰り上げの減額率は緩和され、繰り下げは増額率アップ

65歳での年金受給開始を基準に、受給開始を60〜64歳に早めることを「繰上げ受給」、66〜70歳まで受給開始を遅らせることを「繰下げ受給」と呼びます。繰り上げと繰り下げ、どちらも1ヶ月単位で年金受給の開始時期を選択できます。
 
繰り上げ受給では1ヶ月早めるごとに年金受給額が0.5%減り、繰り下げで0.7%増えますが、2022年4月からは繰り上げの減額率が0.4%に緩和されます。繰り下げの増額率は変わりませんが、70歳までだった受給開始年齢を75歳まで遅らせることが可能です。この改正により、60歳に開始年齢を繰り上げた場合に30%だった減額率が24%に緩和され、75歳に繰り下げると増額率は84%になります。
 
繰り下げにより受給総額は上がり、長生きができれば得をします。2020年時点での平均寿命は、男性81.64歳、女性87.74歳です。受給開始までに必要な生活費の蓄えや何歳まで働けるのか、持病や健康状態などから総合的に考える必要があるでしょう。
 
また、60歳以上で働きながら年金を受給する「在職老齢年金」の制度も2022年4月から改正されます。現行では60〜64歳では月給と年金の合計が28万円、65歳以上は合計47万円を超えると年金の支給が止まりますが、改正後はどちらのケースも47万円に統一されます。
 
退職年齢の引き上げや働き方の多様化もあり、年金の受給開始時期も選択肢が増えています。年金法の改正を機に、資産状況やライフプランと年金受給開始時期のバランスを見直してみてはいかがでしょうか。
 

各受給開始年齢での分岐点

75歳に繰り下げた場合の年金受給額84%アップは魅力的です。しかし、75歳で受給を開始した直後に病気を患ったり、事故にあったりする可能性もあります。そのため、何歳まで受給できれば遅らせた分を取り戻せるのかという分岐点に注意が必要でしょう。以下に65歳で受給した場合を基準に、5歳ごとの分岐点を解説します。
 

・60歳に繰り上げた場合

60歳に年金受給開始を繰り上げると、受給額が24%減額されます。この場合で65歳受給開始と比べ受給総額で追い越されるのは80歳未満です。
 

・70歳に繰り下げた場合

70歳への繰り下げで受給額は42%上がります。このケースで65歳から受給を開始したケースに追い付くのは81歳です。
 

・75歳に繰り下げた場合

受給額が84%上がる75歳への繰り下げでは、86歳になれば65歳受給開始のケースに追い付きます。また70歳に繰り下げた場合でも、91歳になると追い付きます。
 

国民年金と厚生年金は別々の繰り下げが可能

公務員や会社員で厚生年金に加入していれば、国民年金と厚生年金のどちらか一方を繰り下げ受給に設定することも可能です。
 
年金受給総額を上げることができる繰り下げを検討しているが、自身が何歳まで受給できるか不安な場合、または貯蓄が繰り下げ受給をするには微妙な場合には、どちらか一方の年金を65歳で受給開始し、もう一方を繰下げ受給することでリスクを回避できます。
 
ただし注意点があり、繰下げ受給は国民年金と厚生年金を別々に設定できますが、繰上げ受給にする場合は別々の設定はできません。
 

自分に合った無理のない年金受給開始時期を選ぶ

年金の受給開始を繰り上げたケースと繰り下げたケースでの分岐点を紹介しました。長生きできれば繰り下げ受給は得をしますが、何歳まで生きられるかは不確定です。また、繰下げ受給のために受給開始までの生活が金銭面で不安定になっては、精神衛生上、悪影響になるかもしれません。
 
各受給開始年齢での分岐点を参考に、老後の人生設計を見直しみてはいかがでしょうか。
 
出典
日本年金機構 年金局年金課 年金制度改正等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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