更新日: 2022.03.19 その他年金
年金の満額はいくらになる? 受け取る条件や増額させるための対策
そこで今回は、年金の仕組みについて紹介するとともに増額するコツについて詳しく解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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国民年金の金額と受給条件
2021年度(令和3年度)の国民年金の満額は年78万900円です。これは、20~60歳までの40年間支払い続けることが基本条件となります。転職など求職中に収入がないなどの理由で免除や猶予による未納期間があると満額での支給は受けられません。
ただし、追納と呼ばれる救済制度を利用すれば10年間さかのぼって支払うことができます。一時的に免除や猶予を受けていても収入が確保されてから未納分を支払えば満額支給を受けることは可能です。
会社員として働いている人のなかには厚生年金の加入となるため、国民年金は受給できないと誤認している人も少なくありません。しかし、毎月の給料から天引きされる厚生年金は国民年金も含まれているので、自動的に支払われているのです。
そして、20歳で会社に就職をして60歳まで勤めれば、国民年金を満額受け取れる資格を得ることができます。そのほかの条件として第3号被保険者があります。第3号被保険者とは厚生年金を支払っている会社員の扶養に当たる人のことです。
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増額につながる、その1 繰下げ受給
将来に備えて受給する金額を少しでも増やしたいという場合に有効となるのが「繰下げ受給」です。繰下げ受給とは、年金を受け取り始める年齢を遅くして受給額を増やす制度のことをいいます。
1年遅らせて66歳から支給を始めた場合の上積みは全体の8~16%程度で、5年遅らせた70歳からの支給を選択すると約42%の増額が期待できるといわれています。65歳と70歳で年間100万円近い差が出るので、貯金などの蓄えがあって生活に余裕がある人は受け取りを遅らせるのも一つの手です。
ただし、増額は年齢によって大きく違うので注意が必要です。また、繰下げで増えた金額を取り戻すには12年程度の期間が必要となるため、70歳からスタートすると82歳で初めて総受給額が同じになるということも留意してください。
増額につながる、その2 付加年金
繰下げ受給以外の増額手段として挙げられるのが「付加年金」です。付加年金とは文字通り毎月支払う金額に上乗せをする制度のことをいいます。住んでいる地域にある年金事務所で定められた手続きにしたがって申請をすれば完了です。
追加で支払う金額は毎月400円で、年金を受給するときにプラスされます。20歳に申請をして60歳まで付加年金を支払い続けると増額されるのは年間およそ10万円で、繰り下げで受給する年齢を遅くしても金額に変わりはありません。毎月400円という少額で将来の年金を増やせる点は大きなメリットです。
しかし全ての人が利用できるわけではなく、付加年金の加入条件は国民年金第1号被保険者および65歳以下の任意加入被保険者だけになります。会社員や公務員などの第2号被保険者、国民年金基金の加入者は加入することができないので注意が必要です。
そのほか、休職中などの理由で年金の支払いを猶予、免除されている人も加入不可となりますので、窓口で断られて無駄足にならないように、自分が制度の対象者であることを確認しておかなくてはいけません。
自分に合った増額方法を選択する
受給する金額を増やす繰下げ、付加年金の制度はどちらもメリットとデメリットがあります。生活に余裕があれば繰下げ、収入が不安定で65歳までにお金を蓄えておく自信がなければ付加年金といったように人によって選択肢はさまざまです。制度の内容について理解をしたうえで自分に合った選択をすることが無理なく増額するコツといえます。
出典
日本年金機構 令和3年4月分からの年金額等について
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 付加保険料の納付のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員