更新日: 2022.05.13 その他年金

ねんきん定期便の見方を解説。毎月いくらもらえるのかをチェック

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ねんきん定期便の見方を解説。毎月いくらもらえるのかをチェック
「ねんきん定期便」は年金に加入している方の誕生月に郵送されます。被保険者の年齢によって、はがきタイプと封書タイプのどちらかが送られ、加入実績や将来もらえる年金額などの情報が記載されています。
 
加入実績にもれや誤りがないかチェックするために、届いたらしっかりと内容を確認しましょう。しかし、見方が分からないと、どこを見ればよいのか迷ってしまいます。
 
そこで、本記事ではねんきん定期便の見方を、はがきタイプと封書タイプに分けて解説します。
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ねんきん定期便とは?

「ねんきん定期便」とは、加入者の年金記録を記載したはがき、もしくは封書のことです。日本年金機構が国民年金、もしくは厚生年金の被保険者を対象に、毎年誕生月の2ヶ月前(誕生日が1日の方は3ヶ月前)に作成して誕生月に郵送しています。
 
ねんきん定期便は、35歳・45歳・59歳の節目年齢のときは封書、節目年齢以外だとはがきが届きます。はがきタイプのねんきん定期便は、50歳未満、50歳以上で内容が異なり、封書タイプのねんきん定期便も、35歳・45歳と59歳で内容が異なります。
 
なお、ねんきん定期便をなくした場合、「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」に電話をすれば再発行が可能で、最新の情報を基に作成したねんきん定期便が再送されます。ただし、届くまでに2ヶ月程度かかります。
 

はがきタイプのねんきん定期便の見方

はがきタイプのねんきん定期便は国民年金、もしくは厚生年金に加入していると、誕生月に郵送されます。はがきタイプのねんきん定期便は圧着はがきのため、ぬれているときに無理に開こうとすると破けることがあるので注意しましょう。
 
なお上記のとおり、35歳・45歳・59歳の節目年齢のときははがきタイプではなく、封書タイプのねんきん定期便が郵送されます。また、はがきタイプのねんきん定期便は50歳未満と50歳以上で書式が異なります。
 
これらの異なるタイプのねんきん定期便を、それぞれ順番に解説します。
 

50歳未満の場合

はがきタイプのねんきん定期便は圧着はがきで、年金に関する情報は内側にあります。指示に従い、矢印の方向へはがして開くと、左側にこれまでの加入実績に応じた年金額が、右側に最近の月別状況が記載されています。
 
これまでの加入実績に応じた年金額は、60歳まで支払い続けると増えます。これは年額のため、毎月の年金額が知りたい方は12ヶ月で割ります。次に最近の月別状況で、ここで毎月きちんと納付しているか、もれはないかを確認できます。
 
裏面には、年金に関する以下の情報が記載されています。

・これまでの保険料納付額(累計額)
・これまでの年金加入期間
・これまでの加入実績に応じた年金額

なお、「これまでの加入実績に応じた年金額」が表示されていない場合、次の可能性が考えられます。

同じ月で年金を支払った記録が二重になっている可能性がある

農林共済組合に加入していた記録が厚生年金保険に統合されていない

 
年金加入記録が正しく反映されていないと、保険料を納めていても正しい年金額が支給されません。加入記録が表示されていないときは、年金事務所に問い合わせてみましょう。
 

50歳以上の場合

50歳以上の方に届くはがきタイプのねんきん定期便も圧着はがきです。基本的に表面は50歳未満のはがきタイプのねんきん定期便と似た書式ですが、裏面にあった「これまでの保険料納付額(累計額)」が表面に移動しています。
 
また、「老齢年金の見込額」には60歳まで現在の加入状況が継続した場合の、年金の見込額が65歳・70歳・75歳に分けて記載されています。老齢年金の受給開始年齢は65歳ですが、受け取る年齢を遅らせることを「繰下げ」といい、1ヶ月遅らせるごとに受給額が0.7%アップします。
 
つまり、50歳以上の方に届くはがきタイプのねんきん定期便には、年金受給開始を70歳と75歳まで遅らせた場合、年金がどれだけアップするのか分かりやすく記載されています。年金の繰下げを考えている方は参考にしてください。
 
また、表面の右側には最近の月別状況が記載されています。ここで、加入実績にもれや誤りがないか確認しましょう。
 
裏面はこれまでの年金加入期間のほかに、老齢年金の種類と見込額(年額)が記載されています。列が4つありますが、左3列は昭和36年4月1日以前生まれの男性、昭和41年4月1日以前生まれの女性が対象の「特別支給の老齢厚生年金」の金額です。
 
対象外の方は左3列が空欄です。右側の列が老齢基礎年金と老齢厚生年金の部分で、(1)基礎年金と(2)厚生年金の合計が、被保険者がもらえる老齢年金の金額です。これは年額のため、月々の年金額が知りたい方は12ヶ月で割りましょう。
 

封書タイプのねんきん定期便の見方

35歳・45歳・59歳の節目年齢で届くねんきん定期便は封書タイプですが、基本的な記載内容ははがきタイプと同じです。
 
封書タイプのねんきん定期便は、これまでの「年金加入履歴」がすべて一覧となって記載されているため、もれや誤りがないか、しっかりと確認できます。また、封書タイプのねんきん定期便には年金加入記録回答票と返信用封筒が同封されています。
 
年金加入記録回答票は年金加入記録にもれや誤りがある場合、日本年金機構に修正してもらうために提出します。年金加入記録回答票に必要事項を記入し、同封されている返信用封筒に入れて返送するか、近くの年金事務所に提出して修正してもらいましょう。
 
封書タイプのねんきん定期便は、35歳と45歳のときは内容が同じですが、59歳のときは若干異なります。図表1は、35歳・45歳のときと、59歳のときの記載内容を簡単にまとめたものです。
 
【図表1】

記載内容
35歳・45歳 年金見込額のイメージ図
これまでの保険料納付額(累計額)
これまでの年金加入期間
これまでの年金加入期間に応じた年金額
これまでの『年金加入履歴』
これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況(※1)
これまでの国民年金保険料の納付状況(※2)
59歳 年金見込額のイメージ図
これまでの保険料納付額(累計額)
これまでの年金加入期間、老齢年金の種類と見込額(年額)
これまでの『年金加入履歴』
これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況(※1)
これまでの国民年金保険料の納付状況(※2)

(※1)厚生年金保険の加入履歴がある方のみ同封
(※2)国民年金の加入履歴がある方のみ同封
 
出典:日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」35歳、45歳の方、令和4年度「ねんきん定期便」59歳の方 より筆者作成
 
59歳のときに届く封書タイプのねんきん定期便なら、「老齢年金の種類と見込額(年額) 」を見れば年金額の見当は付きます。しかし、35歳と45歳のときに届く封書タイプは「これまでの加入実績に応じた年金額」しか分かりません。
 
35歳・45歳の方で、将来もらえる年金額の見込額を知りたい場合は、封書タイプのねんきん定期便に記載されている二次元コードを読み取って、年金見込額の簡易試算を行ってみましょう。
 

ねんきん定期便でもれや誤りがあった場合

ねんきん定期便でもれや誤りがあった場合、年金加入記録回答票に必要事項を記入して、日本年金機構に返送するか、年金事務所に提出しましょう。
 
封書タイプのねんきん定期便には年金加入記録回答票と返信用封筒が同封されているため、もれや誤りがあればすぐに提出できます。はがきタイプの場合は、年金加入記録回答票をインターネット、もしくは年金事務所で手に入れて提出します。
 
年金加入記録回答票の内容に基づいて日本年金機構で調査が行われ、後日、確認の結果が郵送されます。なお、調査には時間がかかるため、しばらく待ちましょう。
 

ねんきん定期便は加入期間と加入実績が重要

ねんきん定期便は毎年誕生月に届く、年金の加入期間や加入実績などが記載された通知です。加入記録にもれや不備があるともらえる年金額が少なくなるため、加入期間と加入実績を確認し、もれや誤りがあれば、速やかに年金加入記録回答票を送り修正してもらいましょう。
 
なお、はがきタイプや封書タイプのねんきん定期便は、誕生月の2ヶ月前(誕生日が1日の方は3ヶ月前)に作成されるため、到着時の最新データではありません。もし、最新のデータや現在の年金額が知りたいという方は、ねんきん定期便に記載されているアクセスキーを使って、ねんきんネットに登録すると確認できます。
 
これまで確認されていなかった方も、「ねんきん定期便」の見方を理解して、毎年確認することで、自分の年金状況を把握するとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」35歳、45歳の方
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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