障害年金は仕事をしていてももらえる年金って、本当?
配信日: 2022.06.03
実は、障害年金は仕事をしていてももらうことができます。障害年金がいったいどのような仕組みになっているのか、解説していきます。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
障害年金の基本
障害年金とは、病気やけがが原因で、生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることのできる年金です。働いている現役世代であっても、受け取ることができます。
障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金がありますが、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は、障害基礎年金を請求できます。
厚生年金に加入していたときには、障害厚生年金が請求できる仕組みになっています。また、障害厚生年金を請求するべき状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金といって、一時金を受け取ることができます。
また、障害基礎年金もしくは障害厚生年金(障害等級1級・2級に限る)を受けるときには、国民年金保険料は国民年金保険料の法定免除制度により、免除されます。
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障害年金の受給要件について知っておく
障害基礎年金、障害厚生年金、障害手当金(一時金)は、どのような場合に請求できるのでしょうか? それぞれ、(1)~(3)の3つの条件のすべてに該当していることが必要です。
【障害基礎年金】
(1)障害の原因となった病気やけがの初診日に、次のいずれかの間にあることが必要です。
・国民年金加入期間である。
・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間(老齢基礎年金を繰り上げて受給している人を除く)。
(2)初診日の前日において、初診日がある月の2ヶ月前までの被保険者期間で、厚生年金保険の被保険者期間・共済組合の組合員期間を含む国民年金保険料の納付済期間と、保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること(※20歳前の場合、納付要件は不要)。
(3)障害の状態が、障害認定日または20 歳に達したときに、障害等級表に定める1級か2級に該当していること。
【障害厚生年金】
(1) 障害の原因となった病気やけがの初診日が、厚生年金保険の被保険者である間にあること。
(2)初診日の前日において、初診日がある月の2ヶ月前までの被保険者期間で、厚生年金保険の被保険者期間・共済組合の組合員期間を含む国民年金保険料の納付済期間と、保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
(3)障害の状態が、障害認定日に障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること。なお、障害認定日後に障害が重くなったときには、障害厚生年金を受け取れる場合がある。
【障害手当金(一時金)】
(1) 障害の原因となった病気やけがの初診日が、厚生年金保険の被保険者である間にあること。
(2)障害厚生年金の要件(2)と同じく、納付期間をクリアしていること。
(3)障害の状態が、次の条件すべてに該当していること。
・初診日から5年以内に治っている(症状が固定している)。
・治った日に、障害厚生年金を受けることができる状態よりも軽いこと。
・障害等級表で定められている障害の状態にあること。
いずれの要件にも、仕事をしていると請求できないなどの記述はありません。つまり、働いて収入を得ていても、障害年金をもらうことができるのです。
働いていると障害年金をもらえないケースもある?
働いて収入を得ていても障害年金はもらえるのですが、もらえないケースもあります。それは、納付要件のない20歳前に傷病を負った人の場合で、年金の支給に関して制限や調整があります。
前年の所得額が472万1000円を超える場合は、年金の全額が支給停止となります。また、370万4000円を超える場合は、2分の1の年金額が支給停止となってしまいます。ただし、扶養親族がいる場合は、扶養親族1人につき所得制限額38万円が加算されます。
20歳前の障害基礎年金は、毎年、受給者本人の前年所得の確認が必要です。前年所得に基づく支給対象期間は、『10月分から翌年9月分まで』です。そのほかにも、恩給や労災保険の年金等を受給しているときには、その受給額について障害基礎年金の年金額から調整されることになっています。
年金の仕組みは複雑です。自分の住まいの最寄りの年金事務所へ出向いて、相談することをお勧めします。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト