年金生活者支援給付金制度とは、所得が一定基準以下の年金受給者を対象に生活支援金を支給する制度です。基準に該当する人なら、もらえる年金を増やせる可能性があります。
当記事では、年金生活者支援給付金制度の概要などを解説します。制度を活用できるように、ぜひ最後までチェックしてください。
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部（ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ）
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年金生活者支援給付金制度の概要
年金生活者支援給付金制度は、生活の支援を図ることを目的にした制度です。現在「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」を受給しており、かつ所得の低い人を対象に給付金が支給されます。これは、支給要件を満たしていれば、継続して受け取ることができる恒久的な制度です。
消費税の引き上げを受けて始まった制度で、増税による税収が活用されています。こちらでは、年金別の支給要件を説明するので、自分や家族が該当するかどうかを確認してみてください。
老齢年金生活者支援給付金
老齢年金生活者支援給付金の支給要件は以下の3点です。
・65歳以上で老齢基礎年金を受給している
・同一世帯の全員が市町村民税非課税である
・前年度の公的年金等の収入とその他の所得（給与所得や利子所得）の合計額が88万1200円以下である
なお、前年度の収入に障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、78万1200円を超え88万1200円以下の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
老齢年金生活者支援給付金の給付額は月額5020円を基準にして、以下のとおり保険料納付済期間と保険料免除期間に応じて計算します。
・保険料納付済期間に基づく額（5020円×保険料納付済期間／被保険者月数480月）
・保険料免除期間に基づく額（1万802円×保険料免除期間／被保険者月数480月）
障害年金生活者支援給付金
現在、障害基礎年金を受給している人は、以下の2つの要件に該当すれば障害年金生活者支援給付金が支給されます。
・障害基礎年金を受給している
・前年度所得の合計額が472万1000円以下である
判定の際に用いる前年度所得に障害年金等の非課税収入は含まれません。また、扶養親族の数に応じて、前年度所得の上限額が増額します。
そして、以下の要件に該当すれば、障害等級に応じて給付金が定額支給されます。
・障害等級2級：月額5020円
・障害等級1級：月額6275円
遺族年金生活者支援給付金
障害年金生活者支援給付金と同様に、遺族基礎年金を受給している人で以下の2点に該当すれば遺族年金生活者支援給付金が支給されます。
・遺族基礎年金を受給している
・前年度所得の合計額が472万1000円以下である
前年度所得の条件は、障害基礎年金と同じです。扶養親族がいる場合も、その人数に応じて前年度所得の上限額が増額します。
障害年金生活者支援給付金は、月額5020円の定額です。ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合、5020円を子の数で割った金額がそれぞれに支給されます。遺族基礎年金を受給する子が3人いる場合、支給されるのは「5020円÷3（人）＝1673.333…（50銭未満切り捨て）」で約1673円ずつです。
年金生活者支援給付金制度に便乗した詐欺に注意！
年金生活者支援給付金制度の導入に伴い、厚生労働省や日本年金機構、市区町村役所の職員を名乗る第三者から不審な電話がかかってくる事例が発生している点に注意してください。「年金生活者支援給付金の振込口座が使えない」といった用件で、新たな口座番号や4桁の暗証番号、マイナンバーを口頭で伝えるように言われるとのことです。
厚生労働省や日本年金機構、市区町村役所の職員は、そのように年金受給者の個人情報の聞き取りを行っていません。もし電話がかかってきても、答えないようにしましょう。年金生活者支援給付金制度に関する不明点があるときは、厚生労働省や日本年金機構、市区町村役所に問い合わせるのがスムーズです。
条件を満たせば年金生活者支援給付金を恒久的に受け取れる
生活者支援給付金は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金を受給する人のうち、所得が一定の水準よりも低い場合に支給されます。
給付金の支給対象要件や給付額は、受給する年金の種類、保険料の納付期間などによって異なります。日本年金機構から通知が届いたら、内容を確認して認定請求手続きを行ってみてください。
出典
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
東村山市 年金生活者支援給付金制度に便乗した詐欺にご注意ください
厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」について
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
