令和4年4月から改正された年金制度をおさらい。制度の見直しや導入された改正とは
配信日: 2022.06.27
そこで今回は、見直しされた制度や新たに導入された制度はどのようなものか、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金制度で改正されたこと
この段落では、令和4年4月から改正された年金制度で、改正された点について解説します。
・繰下げ受給する場合の上限年齢を引き上げ
これまで繰下げ受給する場合の上限年齢は70歳でしたが、75歳まで引き上げられることになりました。繰下げ受給とは、年金の受給年齢を遅らせることで受給額が月0.7%ずつ増額するというものです。
これまでは上限が70歳で最大42%の増額となっていましたが、75歳まで上限年齢が引き上げられたことで最大84%の増額になります。対象者は昭和27年4月2日以降に生まれ、かつ受給権発生日が平成29年4月1日以降の人です。
・繰上げ受給をした場合の減額率を引き下げ
年金の受給権が発生するのは65歳の誕生日月からですが、繰上げ受給を請求することで60歳から65歳になるまでの間に受給することができます。その場合、年金減額率はこれまで1ヶ月あたり0.5%でしたが、令和4年4月からは0.4%に改正されました。
その結果、仮に60歳で繰上げ受給をした場合でも減額率は最大で24%になります。対象者は昭和37年4月2日以降生まれの人です。それ以前に生まれた人は現行の減額率のままなので注意しましょう。
・在職老齢年金制度の見直し
在職老齢年金制度とは、60歳以降も働くことで給与等に応じて老齢厚生年金の額が減額調整される制度です。ただし、この制度は賃金と年金額の合計に応じて年金の一部、または全額が支給停止になるという条件があります。
これまでは60~64歳の間で賃金と老齢厚生年金の基本月額の合計が28万円以上だった場合、老齢年金の一部かまたは全額が支給停止になっていました。
しかし、令和4年4月からは60~64歳も65歳以上の場合と同じように、賃金と年金額の合計が47万円以上の場合に一部支給停止となるように見直されました。
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年金制度で新たに導入・廃止されたこと
ここでは、令和4年4月から改正された年金制度で、導入・廃止された点について解説します。
・在職定時改定制度の導入
老齢厚生年金の受給権者が働いて賃金を得ている場合、これまでは退職時か70歳到達時にのみ年金額が改定されていました。しかし、働きながら年金を受給している高齢者の経済的基盤を強固にするという観点から、令和4年4月以降は在職中でも毎年10月分から年金額が改定されるようになりました。
この制度の対象となるのは、65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給者です。
・年金手帳を廃止し、基礎年金番号通知書を発行
これまでは国民年金や厚生年金に加入すると年金手帳が交付されていました。しかし、令和4年4月以降に年金制度に加入する人には年金手帳は公布されません。その代わりに基礎年金番号通知書が発行されるようになりました。
既に年金手帳の交付を受けている人は、年金手帳を紛失したなどの理由で再発行を希望しても再発行してもらえず、基礎年金番号通知書が発行されます。
自分に関係のある改正がないかしっかりチェックしておこう!
令和4年4月の年金制度改正はすべての年金加入者や受給者に当てはまるわけではありません。
しかし、年金の繰上げ・繰下げ受給を検討している人や、現在在職老齢年金を活用している人は改正の対象者である可能性が高いです。
年金は老後の暮らしにおける重要な収入源です。対象者に当てはまる人は、どこがどう改正されたのかをしっかりチェックしておきましょう。
出典
厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
日本年金機構 令和4年4月から年金制度が改正されました
日本年金機構 令和4年4月から老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が75歳に引き上げられました
日本年金機構 令和4年4月から老齢年金の繰上げ減額率が見直されました
日本年金機構 令和4年4月から65歳未満の方の在職老齢年金制度が見直されました
日本年金機構 令和4年4月から在職定時改定制度が導入されました
日本年金機構 令和4年4月から年金手帳は基礎年金番号通知書に変わります
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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