年金が減額や支給停止になることがあるって、本当?
配信日: 2022.09.24
また65歳以降も、公的年金だけでは生活が不安な人は、働く場合もあるでしょう。その際に注意したいのが、年金が減額や支給停止になってしまう場合があることです。
そこで本記事では、年金が減額や支給停止になるのはどのような場合があるのか、それを防ぐにはどのようにしたらよいのか、解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金が減額や支給停止になる場合
年金の減額や支給停止が考えられるのは、働きながら年金を受給する場合です。一定の要件に該当すると年金が減額されたり、支給停止になったりすることがあります。
65歳以降も働く場合、できれば仕事をして給料をもらいながら年金も受け取りたいところです。
年金が減額や支給停止されるのはどのような要件なのか、みていきましょう。
在職老齢年金とは?
在職老齢年金とは、働きながら受け取る老齢厚生年金です。しかし、この年金については支給停止の要件を定めており、要件に該当する場合は一部支給停止や支給停止になります。
支給停止のしくみ
働きながら年金を受け取る場合、「総報酬月額相当(その月の標準報酬月額+その月以前1年間の標準賞与額の合計÷12)」と「基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分)」を合算した金額が月額47万円を超えると、一部支給停止になります。また、高年齢雇用継続給付を受けた場合も同様です。
反対に、47万円を超えなければ要件に該当しないため、在職老齢年金の満額を受給できます。
支給停止要件については、令和2年(2020年)の年金制度改正で変更がありました。これまでは、60歳以上65歳未満の人の場合、在職老齢年金の一部支給停止の要件は月額28万円でしたが、令和2年の改正により、月額47万円に緩和されました。65歳以上の人の場合は、これまでも月額47万円以上だったので変更はありません。
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働きながら在職老齢年金を受け取ると?
在職老齢年金を受け取る場合、総報酬月額相当と基本月額が月額47万円を超えると一部支給停止の対象になります。47万円を超えた場合に支給停止される金額は、総報酬月額相当額と基本月額を足した金額から47万円を引き、その金額を半分にしたものです。
例えば、総報酬月額相当額と基本月額の合計が55万円だった場合、55万円から47万円を引いた8万円の半分、つまり4万円が一部支給停止されます。
47万円を超えなかった場合は、在職老齢年金を満額受け取れます。できれば満額を受け取れるように調整したいですね。
高年齢雇用継続給付を受けると?
高年齢雇用継続給付は、雇用保険に5年以上加入していた60歳以上65歳未満の人が60歳を超えて雇用された場合に、賃金が60歳のときよりも75%未満になると支給される雇用継続給付金です。
60歳以降に再雇用された際、要件を満たすと受け取ることができます。定年後も働きたい人にとってはうれしい給付ですね。
この高年齢雇用継続給付も、「特別支給の老齢厚生年金」(男性は昭和36年4月1日生まれまでの人、女性は昭和41年4月1日生まれまでの人)など、65歳になるまでの老齢年金を受けている人は、在職老齢年金と同時に受給できます。高年齢雇用継続給付を受け取った場合、在職老齢年金が一部支給停止されます。支給停止の最高額は、標準報酬月額の6%です。
高年齢雇用継続給付と在職老齢年金を両方受け取りたいと思っている人は注意が必要です。
年金を賢く受け取れるようにしましょう
本記事では、年金が減額や支給停止になるのはどのような場合があるかについて、そしてそれを防ぐためにはどのようにしたらよいのか、解説してきました。
もしも在職老齢年金を受け取る場合は、総報酬月額相当額と基本月額の合計が47万円を超えていないかを確認し、働き方に注意しましょう。47万円を超えてしまうと満額を受け取れなくなり、支給停止になってしまいます場合もあります。
年金は老後の生活に不可欠なものです。賢く受け取れるようにしたいですね。
出典
日本年金機構 在職老齢年金の支給停止の仕組み
日本年金機構 年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整
厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部