更新日: 2022.10.09 その他年金

新卒から給与が上がらず「手取り17万」で将来が不安です…年金はいくらもらえますか?

新卒から給与が上がらず「手取り17万」で将来が不安です…年金はいくらもらえますか?
経済的に厳しい社会情勢の中、なかなか収入が増えずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。収入が少ない状態ではさまざまなことが不安になります。老後の生活もそのひとつです。
 
考えたくはないことですが、万が一定年退職するまで少ない収入のままだった場合、受け取れる年金はどのくらいになるのでしょうか。計算してみました。
FINANCIAL FIELD編集部

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60歳まで月収17万円だった場合、年金はどうなる?

新卒採用時に月収17万円だった人が60歳までずっと同じ給与額だった場合、年金の受給額はどのようになるのでしょうか。
 
まず、国民年金(老齢基礎年金)は保険料が一律なので、収入の額が多い人も少ない人も同じです。受給額がいくらになるのかは、保険料を納付した期間と免除の有無によって決まります。
 
計算式は「満額の受給額×(納付済月数+全額免除月数×8分の4+4分の1納付月数×8分の5+半額納付月数×8分の6+4分の3納付月数×8分の7)÷480ヶ月」です。令和4年度の満額は77万7800円なので、将来も同じ金額であると仮定しましょう。
 
学生時代は学生納付特例制度を利用し保険料の納付が免除されていると仮定し、加入期間きちんと毎月納付し続けたとして計算すると「77万7800円×(456ヶ月+24ヶ月×8分の4)÷480ヶ月」で75万8355円(月額6万3196円)が老齢基礎年金額となります。
 
それでは、厚生年金(老齢厚生年金)はどうなるでしょうか。老齢厚生年金の受給額の計算式は「平均標準報酬月額×5.769÷1000×加入月数」です。
 
平均標準報酬月額が17万円、加入月数が456ヶ月として計算すると「17万円×5.769÷1000×456ヶ月」で44万7212円(月額3万7267円)になります。老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた月あたりの年金額は10万463円です。
 

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年金額を増やす方法はある?

それでは、年金額をより増やす方法はあるのでしょうか。考えられる方法のひとつが繰下げ受給です。繰下げ受給とは、原則65歳から受給できる老齢基礎年金の支給開始を65歳より後にできる制度です。
 
1年間繰り下げると8.4%が加算され、その後1ヶ月あたり0.7%の加算で最長10年まで繰り下げることができます。75歳まで繰り下げると加算額は84%なので、老齢基礎年金が月額6万3196円の人は月額11万6280円になります。
 
もうひとつの方法は、60歳以降も働き続けて厚生年金の加入期間を延ばすことです。20歳から60歳までと加入期間が定められている国民年金とは違い、厚生年金は70歳まで加入し続けることができます。
 
そのため、60歳以降も加入し続ければそれだけ年金額は増えるというわけです。仮に70歳まで加入し続けたとすると「17万円×5.769÷1000×576ヶ月」なので受給額は56万4900円(月額4万7075円)になります。
 

現役時代の給与額によって受け取れる年金額も変わる

老齢基礎年金の受給額は加入期間によって変わるため、収入が少ないからといって受給額が減るわけではありません。しかし、老齢厚生年金の受給額は厚生年金の保険料が月収額によって変わるため、収入が少ないと受給額も少なくなってしまいます。
 
将来の受給額が少ない人は繰り下げ受給や60歳以降も働き続けることで年金額を増やすことができるので、検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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