更新日: 2022.11.30 その他年金
年金が入ってきてもすぐ消費してしまいそう……。「繰下げ受給」を検討した方がいい?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
年金の繰下げ受給とは
現在、公的年金は原則65歳からの受給となっています。年金の繰下げ受給とは、その受給開始年齢を後ろ倒しにするものです(最大75歳まで)。
繰下げ受給は1月単位で行うことができ、1月繰り下げることに年金額が0.7%増額されます。例えば、75歳まで繰り下げた場合、実に84%も増額された年金を将来にわたって受け取ることが可能です。年金の繰下げ受給にあたって特別な手続きは必要なく、65歳以降も年金の受給手続きをしなければ自動的に繰下げ受給の扱いになります。
その後、66歳以降の希望する時期に年金の請求手続きをすれば、繰り下げた分増加した年金を受け取ることができます。
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浪費対策で年金の繰下げ受給が向いているのはどんな人?
年金が入ってきたらすぐに使ってしまいそう、という理由で繰下げ受給を検討することには一定の有効性があります。年金が手元にない以上浪費することもなく、その上、将来受け取る金額が増えるとあればなおさらです。
しかし、年金がなかなか手元に入ってこないことはデメリットでもあります。それを踏まえ、浪費対策で年金の繰下げ受給が有効となるのは次のような人です。
老後資金に余裕のある方
年金を繰下げ受給するということは、それだけ収入としての年金を得られるタイミングが遅くなるということです。老後資金に余裕があり、だからこそ年金の分を浪費してしまいそう、そんな人は年金の繰下げ受給が向いているでしょう。
老後もフルタイムで働き続ける方
老後の生活費を、フルタイムの就労によって得られる給料で賄おうと考えている場合、基本的に生活費目的で年金を受給する必要はありません。このように、年金をすぐに受給しなくても生活への影響が少ない場合は、繰下げ受給によって受給額の増加に期待しつつ、年金の浪費を防ぐこともできます。
老後フルタイムで就労を続ける方も、年金の繰下げ受給が向いているといえます。
繰下げ受給のデメリット
繰下げ受給最大のデメリットは、将来的に受け取る年金の総額が少なくなってしまう可能性があるという点です。例えば、75歳まで繰り下げ、増額された年金額を受け取ることができるようになっても、そこから1年や2年のうちに亡くなると、65歳から年金を受け取り始めた方よりも年金の総受給額は少なくなってしまいます。
また、年金は課税対象となる収入のため、将来増額した年金を受け取ることで、健康保険料や住民税の負担が増えてしまうこともあります。
繰下げ受給以外に浪費対策はある?
繰下げ受給以外にも年金の浪費対策はあります。例えば、年金の支給口座を普段使用している口座とは別に設定しておき、緊急時など必要なとき以外では引き出さないようにする、などです。それでも引き出してしまうという場合、年金支給日に口座から定期預金口座に年金を移し、初めから定期預金としておくことでも浪費を防ぐことができるはずです。
年金をすぐに消費してしまうことが心配なら繰下げ受給の検討も
年金をすぐに消費してしまうことが心配であれば、繰下げ受給について検討の余地があります。しかし、繰下げ受給はその間年金収入が得られないなどのデメリットもあります。年金をすぐに消費してしまうことが心配であれば、定期預金を利用するなど他の方法も検討してみてください。その上で、どうするのが効果的か考え、自分に合った方法を選んでみましょう。
出典
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:柘植輝
行政書士