更新日: 2022.11.30 その他年金
産休・育休中の「社会保険料」の支払いは免除される? 金額や条件を確認
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金保険料の支払いは、どうなるの?
産休中の年金保険料は、加入中の年金制度(国民年金・厚生年金)に関わらず、申請を行えば免除されます。国民年金加入者は出産予定日の6ヶ月前から届け出を行えば出産前月から4ヶ月間(産前産後期間)、多胎妊娠の場合は出産3ヶ月前から6ヶ月間、国民年金保険料が免除になります。
国民年金の免除期間中は、保険料を支払ったものとして計算されます。
育休中の年金保険料は、厚生年金加入者は免除になりますが、国民年金加入者は免除されません。育児休業期間中の厚生年金保険料は休業前の給料で計算されます。
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健康保険料の支払いはどうなるの?
産休中と育休中の健康保険料は、社会保険に加入している人は免除されます。国民健康保険の加入者は免除されません。
社会保険料の免除期間は、産休・育休どちらも休業を開始した月から終了する前月までとなります。出産予定日の6週間前から子どもが1歳の誕生日を迎える前日までの社会保険料が免除となり、日割り計算ではなく1ヶ月単位で計算されます。社会保険に加入している人が免除されるには、事業主による届け出が必要です。
年収によって、免除される金額はどのくらい?
年収によって社会保険料・厚生年金保険料はどのくらい変わるのでしょうか?
国税庁「令和3年度 民間給与実態統計調査」によると、20~24歳の平均269万円、25~29歳の平均で371万円、30~34歳の平均413万円でした。以上の平均給与額をもとにして、保険料額表(月額)から試算してみましょう。(図表1)
図表1
年収(月額) | 全国健康保険協会管掌保険料 | 厚生年金保険料 | ||
---|---|---|---|---|
全額 | 折半額 | 全額 | 折半額 | |
270万(月額約22万) | 2万1582円 | 1万791 | 4万260 | 2万130 |
370万(月額約30万) | 2万9430円 | 1万4715 | 5万4900 | 2万7450 |
410万(月額約34万) | 3万3354円 | 1万6677 | 6万2220 | 3万1110 |
出典 全国健康保険協会 令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
健康保険料や厚生年金保険料は、会社と折半して負担するので「折半額」が給与から差し引かれる自己負担額となります。
●健康保険料=健康保険料の折半額×免除対象期間
●厚生年金保険料=厚生年金保険料の折半額×免除対象期間
年収270万円のAさんが、産休と育休で13ヶ月休んだ場合
・健康保険料:1万791円 ×13=14万283円
・厚生年金保険料:2万130円×13=26万1690円
免除される見込み金額(自己負担額):14万283円+26万1690円=40万1973円
※ 給与支給額によって、金額が前後します。
まとめ
産休・育休中の年金・社会保険料支払いが免除されても、保険料を「支払い済み」として扱われるので、健康保険などの給付は問題なく受けられますし、将来受け取る予定の老齢年金も減額されません。
出産前後期間の国民年金保険料が免除される制度は、2019年4月から始まりました。国民年金・社会保険・厚生年金の保険料支払い免除は、申請しないと行われないので、事前に準備しておくのが良いでしょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
国税庁 令和3年度 民間給与実態統計調査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部