更新日: 2022.11.30 その他年金

「障害年金」の請求方法は? 請求までの3つのステップを解説

執筆者 : 西岡秀泰

「障害年金」の請求方法は? 請求までの3つのステップを解説
公的年金から支給される障害年金の手続きは、老齢年金や遺族年金などと比べて複雑で手間がかかります。障害年金の請求には、初診日の証明や診断書が必要であるため、原則3回年金事務所に行かなければならないからです。
 
この記事では、障害年金請求の3つのステップを紹介します。これから障害年金を請求する人は、3つのステップを理解してスムーズに手続きしましょう。
西岡秀泰

執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)

社会保険労務士・FP2級

障害年金請求に必要な「初診日の証明」と「診断書」

障害年金を請求できるのは、障害の原因となった病気やけがなどで初めて病院に行った日(初診日)から1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)以降です。
 
障害認定日に所定の障害状態にあった場合の請求を「認定日請求」、認定日の障害状態が軽度で障害年金に該当しなかった人が、その後状態が悪化した場合の請求を「事後重症請求」といいます。
 
障害認定日から1年以上経過してから認定日請求を行うには、病院で次の書類を取り付けなければなりません。


・初診日を証明する書類
・認定日の障害状態を証明する診断書
・現在の障害状態を証明する診断書(認定日から1年以内なら省略できる)

上記書類は病院ですぐに発行してもらえるとは限りません。大きな病院なら診断書の発行に1ヶ月前後もかかるケースがあります。また、初診日と認定日に受診した病院、現在受診している病院が全て異なる場合、3つの病院に行かなければなりません。
 
障害年金の手続きが老齢年金などと比べて複雑で手間がかかる理由の1つは、病院で診断書などを取り付ける必要があることです。また、適切な手順で手続きを進めないと、請求書類を提出するまでに何度も年金事務所に行く羽目になることもあります。
 
障害年金請求の3ステップを紹介しますので、請求予定の人は参考にしてください。
 

ステップ1:初診日を確認する

障害年金請求の最初のステップは、初診日を確認することです。初診日に国民年金に加入している人は「障害基礎年金」、厚生年金に加入している人は「障害厚生年金」の対象です。初診日に加入していた年金によって受け取れる年金が異なるため、初診日の特定は重要です。
 
初診日を確認するには、初診日が記載された医師の証明が必要です。年金事務所での初回相談時に「受診状況等証明書」を渡されるので、初診日の病院に証明書の記入を依頼しましょう。
 

ステップ2:認定日と受給要件、必要書類を確認する

受診状況等証明書を取り付けたら、年金事務所に2回目の相談に行きます。
 
年金事務所では、「初診日に加入していた年金制度」や「保険料の納付要件(障害年金の受給要件の1つ)」、「障害認定日」などを確認します。
 
確認の結果、受給要件を満たす可能性があれば年金事務所から請求に必要な書類の案内があるので、記入方法を含めてしっかりと聞いておきましょう。障害の内容や請求方法、加入している年金制度、家族状況等によって必要書類は大きく異なります。
 

ステップ3:必要書類を準備して年金請求書を提出する

必要書類を準備して年金事務所に提出すれば、年金請求は完了です。ここまでで、最低3回は年金事務所に行くことになります。ただし、書類に不備があれば何度も年金事務所に行かなければならないので、提出前に必要書類の見直しをするようにしましょう。
 
特に注意したいのが、診断書の現症日(診断された日)です。認定日の診断書は、現症日が認定日から3ヶ月以内のものが必要です。また、現在の診断書は、現症日が年金請求書を提出する日の3ヶ月以内でなければなりません。
 

3つのステップを理解して請求手続きをしましょう

障害年金の手続きは複雑で手間がかかるため、途中で請求を諦めたり報酬を支払って社会保険労務士に依頼したりするケースもあります。手続きを少しでも簡単にできるように、解説した3つのステップをしっかり理解しましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の追納制度 障害年金ガイド 令和4年度版
日本年金機構 障害年金
日本年金機構 年金請求書提出までの流れ
日本年金機構 受診状況等証明書を提出するとき
 
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級

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