更新日: 2022.12.07 その他年金

父と母が死亡…「遺族年金」は父母2人の分を受け取れない理由を確認

父と母が死亡…「遺族年金」は父母2人の分を受け取れない理由を確認
遺族年金は公的年金の被保険者が死亡した際に遺族が受け取れる年金です。親が被保険者の場合は子が遺族年金を受け取れます。では、父と母の2人が死亡した場合はどうなのでしょうか。
 
この場合、原則として父と母「2人分」の遺族年金を受け取ることはできません。必ずどちらかの年金を選択することになるため注意が必要です。
 
本記事では、遺族年金の概要と父母2人分の遺族年金を受け取れない理由、選択する際の手続き方法などを解説します。

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遺族年金はどのような制度か?

遺族年金は公的年金の被保険者が死亡した際に遺族が受け取れる年金です。遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。
 

・遺族基礎年金

国民年金の被保険者が死亡した際に、その人に生計を維持されていた「子のある配偶者」と「子(18歳になった年度の3月31日まで、または20歳未満で障害年金の障害等級1級・2級)」が受け取れる年金です。
 
ただし、遺族基礎年金を受け取るには、(1)国民年金の被保険者である間に死亡したとき(2)国民年金の被保険者だった60歳以上65歳未満の人で、日本国内に住所がある人が死亡したとき(3)老齢基礎年金の受給権がある人が死亡したとき(4)老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡したとき、という4つの要件のうちの、「いずれか1つ」に該当する必要があります。
 

・遺族基礎年金の年金額

遺族基礎年金の年金額(令和4年4月から)は、「子のある配偶者」の場合が年額77万7800円と子の加算額(1人目と2人目が22万3800円、3人目以降が7万4600円)で、「子」の場合が77万7800円と2人目以降の子の加算額(2人目が22万3800円、3人目以降が7万4600円)です。
 

・遺族厚生年金

厚生年金の被保険者が死亡した際に、その人に生計を維持されていた遺族の中で優先順位の最も高い人が受け取れます。優先順位の最高位は「子のある妻」「子のある55歳以上の夫」「子(18歳になった年度の3月31日まで、または20歳未満で障害年金の障害等級1級・2級)」です。
 
ただし、遺族厚生年金を受け取るには、(1)厚生年金保険の被保険者中に死亡したとき(2)厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やケガが原因で初診日から5年以内に死亡したとき(3)1級・2級の障害厚生(共済)年金を受給中の人が死亡したとき(4)老齢厚生年金の受給権者だった人が死亡したとき(5)老齢厚生年金の受給資格を満たした人が死亡したとき、という5つのうちの、いずれか1つの要件に該当する必要があります。
 

・遺族厚生年金の年金額

遺族厚生年金は、被保険者の老齢厚生年金における報酬比例部分の3/4の金額です。
 

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父母2人分の遺族年金を受け取れない理由

支給事由(老齢・遺族・障害)が異なる公的年金の受給については、1人につき1つの年金が原則です。そのため、父母2人分の年金を受け取ることはできません。
 
これは、父母が同時に死亡した場合も、父(母)の遺族年金を受給中に母(父)が死亡した場合も同様です。そのため、父母両方の遺族年金を受け取れる資格がある場合は、どちらかの年金を選択した上で「年金受給選択申出書」を提出する必要があります。提出先は最寄りの年金事務所か年金相談センターです。
 

そのときのために遺族年金に関する知識を身に付けておこう

遺族年金は公的年金の被保険者が死亡した際に遺族が受け取れる年金です。遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があり、子が受給対象者である場合は親の年金を受け取ることができます。
 
ただし、遺族年金を受給するためには、それぞれの要件の中のいずれか1つに該当する必要があります。また、父母2人分の遺族年金を受け取ることはできません。
 
どちらかの年金を選択する立場になってから困らないためにも、遺族年金に関する知識を身に付けておきましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の併給または選択
日本年金機構 遺族年金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部