更新日: 2022.12.08 その他年金

「障害年金」はどんな制度? 受給要件や対象者について解説

執筆者 : 古田靖昭

「障害年金」はどんな制度? 受給要件や対象者について解説
障害年金とは、病気やけがによって仕事や生活などが制限された場合に、現役世代も含めて受け取れる年金です。
 
しかし、障害年金といっても実際にどのような病気やけがになった場合に受け取ることができるのかわかりづらい部分があります。
 
本記事では障害年金制度について、受給要件や年金額などを解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

障害年金制度とは

障害年金は、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
 

障害基礎年金

障害基礎年金は、障害の原因となった病気やけがの初診日に、国民年金の加入者、または20歳前や60歳以上65歳未満の人が、障害認定日または20歳に達したときに、障害等級1級または2級に該当している場合に支給されます。
 
また受給に際して、「初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの公的年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上ある場合」または「初診日に65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない場合」のいずれかの要件を満たしている必要があります。
 
なお20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日があれば納付要件は不要です。
 

障害厚生年金・障害手当金

障害厚生年金は、障害の原因となった病気やけがの初診日に、厚生年金の加入者であり、障害認定日に、障害等級1級から3級に該当している場合に支給されます。なお障害等級1級または2級の場合、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給され、障害等級3級の場合、障害厚生年金のみの支給です。
 
障害手当金は、初診日から5年以内に障害の原因となった病気やけがが治り、障害等級3級よりも軽い障害が残った場合に一時金が支給されます。
 
障害厚生年金と障害手当金のどちらの受給に際しても、「初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの公的年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上ある場合」または「初診日に65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない場合」のいずれかの要件を満たしている必要があります。
 

障害年金の年金額

障害基礎年金や障害厚生年金の年金額は図表1のとおりです。
 
【図表1】
 


 
出典:日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額、障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額より筆者作成
 
※1 加算額は、1人目と2人目の子の場合は各22万3800円、3人目以降の子の場合は各7万4600円。なお子とは、18歳になった年度の3月31日までの人、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人で生計を維持されているときに加算
 
※2 報酬比例年金額は、平均標準報酬月額×7.125÷1000×2003年3月までの加入月数+平均標準報酬額×5.481÷1000×2003年4月以後の加入月数で計算
 
なお障害手当金は、「報酬比例年金額×2(最低保障額116万6800円)」を一時金として支給されます。
 

障害年金の支給対象となる病気やけが

障害年金が支給される障害状態は図表2のとおりです。
 
【図表2】
 


 
出典:日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額、障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額より筆者作成
 
障害年金の対象となる主な病気やけがとして、眼や手足の障害などの外部障害や、統合失調症やうつ病などの精神障害、呼吸器疾患や糖尿病などの内部障害があります。
 

障害状態になった場合に備える

障害年金は、障害の原因となった病気やけがに応じて支給される金額が変わります。もし生活や仕事をしていて障害状態になった場合に備えて、障害年金制度を理解しておくことが大切です。
 
もし障害状態になった場合に障害年金制度だけでは家族を守れないと感じている人は、生命保険などで必要な保障を準備することで、万が一の障害状態に備えてみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 障害年金
日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 障害年金ガイド 令和4年度版
日本年金機構 障害年金の対象となる病気やケガにはどのようなものがありますか。
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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