更新日: 2022.12.10 その他年金
年金だけで暮らせない…「年金生活者支援給付金」は会社員だと受けられないって本当? 条件を確認しよう
本記事ではそのような人に向けて、年金生活者支援給付金の概要や受給資格、給付金を受け取れない人が利用できる制度などについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金生活者支援給付金とは
「年金生活者支援給付金」とは、公的年金などから得られる収入や、そのほかの所得金額が一定の基準を下回っている年金受給者の生活を保障するための制度です。受給が認められた場合は年金額に上乗せして給付金を受け取れますが、給付金を受け取るためには「いくつかの条件」を満たさなくてはいけません。
条件は年金生活者支援給付金の種類によって異なります。一口に「年金生活者支援給付金」といっても、「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類に分けられます。
老齢年金生活者支援給付金の受給資格としては、「65歳以上の老齢基礎年金の受給者である」こと、「同一世帯の全員が市町村民税非課税である」こと、「障害年金や遺族年金といった非課税収入を除いた前年の公的年金などの収入金額と、そのほかの所得金額の合計が88万1200円以下である」ことが挙げられます。
障害年金生活者支援給付金の受給資格は、「障害基礎年金の受給者である」ことと、「前年の所得が472万1000円以下である」ことです。なお、この場合の「前年の所得」には障害年金などの非課税収入は含まれません。また、所得金額の基準は扶養親族などの人数によって増額されます。
遺族年金生活者支援給付金の受給資格は、「遺族基礎年金の受給者である」ことと、「前年の所得が472万1000円以下である」ことと定められています。遺族年金生活者支援給付金も障害年金生活者支援給付金と同様、「前年の所得」には遺族年金などの非課税収入は含まれず、所得金額の基準も扶養親族などの人数によって増額されます。
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年金生活者支援給付金を受け取れない人でも利用できる制度について知ろう
厚生年金では基礎年金となっている国民年金の金額と、厚生年金保険の受給額の合計金額が支払われます。年金生活者支援給付金を受け取るための条件には当てはまらないことから、年金を含めた収入や所得が一定基準以下の場合であっても、厚生年金受給者は年金生活者支援給付金を受け取れません。
厚生年金受給者で、それだけでは生活ができない人は生活保護制度の利用を検討しましょう。生活保護制度は生活に困窮する人に対し、必要最低限度の生活を保障するためのものです。
年金受給者が生活保護を受ける場合、受け取れる金額は最低生活費から年金収入を引いた額になりますが、年金収入が最低生活費より低い場合は、厚生年金を受け取っていても生活保護を受けられるため、生活に厳しい場合は利用するとよいでしょう。
しかし、受け取れる金額は先に述べた通り、必要最低限の生活を保障するものであるため、ゆとりのある暮らしがしたい場合は、現役時代にiDeCoや貯蓄などを計画的に進めることも大切です。
厚生年金受給者は年金生活者支援給付金を受け取る以外の方法を検討しよう
年金を含めた収入や所得が一定基準以下の場合は年金生活者支援給付金を受け取れますが、本記事で解説した通り、給付金受給には条件があり、厚生年金受給者は受け取ることができません。そのため、厚生年金受給者で年金のみでの生活が苦しい場合は生活保護の申請を検討する必要があります。
また、老後の生活を見据えて、現役時代に貯蓄などをすることも大切です。しかしながら、自助努力だけでなく、将来的には制度の改訂なども期待したいところです。
出典
日本年金機構 年金生活者支援給付金
日本年金機構 年金生活者支援給付金の対象となるのはどんな方ですか。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部