更新日: 2022.12.14 国民年金

国民年金の納付率って実際どのくらい? 払えないときはどうすればいい?

国民年金の納付率って実際どのくらい? 払えないときはどうすればいい?
失業や病気などの理由で、国民年金保険料の支払いを負担に感じたことがある方は多いでしょう。「みんな、国民年金保険料を欠かさずに払えているのだろうか」という疑問を抱いた方もいるのではないでしょうか。
 
結論からいえば、国民年金保険料は大半が支払われているものの、100%ではないのが現状です。本記事では、厚生労働省のデータをもとに国民年金保険料の納付率を紹介するとともに、納付が困難な場合の対処法についても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国民年金の保険料納付率はおよそ8割

厚生労働省「令和4年9月末現在 国民年金保険料の月次納付率」によると、国民年金保険料の2022年9月末現在 の月次納付率(令和元年9月分保険料の3年経過納付率※)は、図表1のとおりです。
 
※各月の保険料が3年経過後に納付されている割合。納付対象月数に対して納付月数が何月あるかで計算します。
 
【図表1】

納付対象月数 納付月数 納付率
837万月 651万月 77.7%

厚生労働省「令和4年9月末現在 国民年金保険料の月次納付率」より筆者作成
 
また、都道府県別に見ると、3年経過納付率が最も高いのは新潟県と島根県で88.3%、最も低いのは沖縄県で69.5%と、都道府県間で大きな差が見られます。
 
なお、平成30年9月分~令和3年9月分の国民年金保険料の月次納付率(3年経過納付率)の推移は、図表2のとおりです。各月の納付率は、70%台後半で推移を続けていることが分かります。
 
【図表2】

平成30年9月分 76.9%
平成30年10月分 76.9%
平成30年11月分 77.0%
平成30年12月分 77.0%
令和元年1月分 77.1%
令和元年2月分 77.3%
令和元年3月分 77.3%
令和元年4月分 77.2%
令和元年5月分 77.2%
令和元年6月分 77.4%
令和元年7月分 77.7%
令和元年8月分 77.7%
令和元年9月分 77.7%

厚生労働省「令和4年9月末現在 国民年金保険料の月次納付率」より筆者作成
 

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国民年金の保険料が払えないときの手続き

やむを得ない事情があり国民年金保険料の納付が困難な場合は、「保険料免除」「納付猶予」という2つの制度のいずれかを利用できる可能性があります。市区町村役場の国民年金担当窓口に相談し、申請手続きを行いましょう。
 
制度を利用することで、保険料を納めていない期間も障害年金や遺族年金も受け取れるようになるほか、受給資格期間にも算入されます。
 

保険料免除制度

本人・世帯主・配偶者の前年所得(1~6月までの申請は前々年所得)が一定以下の場合、失業した場合などに、所得に応じて保険料の全額または4分の3、半額、4分の1のいずれかの割合が免除される制度です。


・所得の基準:前年所得が(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円以内※全額免除の基準
・受給資格期間への算入:あり
・年金額への反映:免除の割合に応じて反映

保険料納付猶予制度

20~50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1~6月の申請は前々年所得)が一定以下の場合に、保険料の納付が猶予される制度です。


・所得の基準:前年所得が(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円以内
・受給資格期間への算入:あり
・年金額への反映:なし

 

国民年金の保険料を払えないまま放置するとどうなる?

国民年金保険料を払えず、保険料免除や納付猶予の手続きも取らずに放置した場合、次のデメリットが生じます。


・受け取れる年金の額が少なくなる
・障害年金や遺族年金が受け取れない

国民年金は、納めた月数が多いほど受け取れる年金額も満額に近くなる仕組みです。そのため、国民年金の保険料を未納のままにすると、未納の期間が長いほど年金額は減ってしまいます。
 
国民年金保険料の未納や免除、納付猶予などで年金額が満額に届かない場合、後から保険料を納めて納付期間を増やせる「追納制度」を利用するとよいでしょう。ただし、追納が可能な期間は10年間です。さらに、3年度目以降は保険料の金額が加算されることにも注意しましょう。
 
また、障害年金や遺族年金は、直近1年間に保険料の未納があると受給できません。病気やけがで障害や死亡などの事態が発生したときのことを考えても、国民年金保険料は未納のまま放置しないことが重要です。
 

国民年金を払えないときは放置しないのが鉄則

国民年金保険料の納付率は、約8割と高い数字で推移しています。しかし裏を返すと、約2割は保険料が納められていないということです。
 
国民年金保険料の未納があると、将来もらえる年金額が減るうえに、万が一の場合に障害年金や遺族年金が受給できない可能性もあります。国民年金保険料をどうしても払えないときは、保険料免除や納付猶予の制度を申請しましょう。
 
また、経済的に余裕ができたときに、払えなかった保険料を追納しておくと、将来の年金額を満額に近づけられます。
 

出典

厚生労働省 令和4年9月末現在 国民年金保険料の月次納付率
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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