更新日: 2022.12.15 その他年金
「20歳前障害」とは? 公的年金に未加入でも受け取れる障害年金について解説
それでは、先天性の障害がある人や20歳前に障害状態になった人は、障害年金はもらえないのでしょうか。
本記事では、20歳前の障害について解説します。「公的年金に未加入でも受け取れる条件」も紹介しますので、20歳前から障害のある人は障害年金の請求を検討してみてください。
執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)
社会保険労務士・FP2級
20歳前障害とは
まず、20歳前障害の意味と受給要件について解説します。
20歳前に初診日がある場合の障害基礎年金
20歳前障害とは、「20歳になる前日まで」に障害の原因となった病気やけがなどで病院を受診した場合に支給される障害年金のことです。初めて病院で受診した日を初診日といいます。
障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2種類がありますが、20歳前障害に該当した場合に支給されるのは障害基礎年金のみです。
20歳前障害は保険料納付要件がない
障害年金には保険料納付要件があり、初診日の前々月までに一定回数の保険料を支払っていないと障害年金はもらえません。
しかし、20歳前には原則、年金制度には加入しないため、保険料の納付要件は問われません。つまり、保険料を納めていなくてもその他の要件を満たせば障害年金を受け取れるということです。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
20歳前障害の年金支給開始時期
次に、20歳前障害の年金支給開始時期について解説します。
「認定日請求」は20歳の誕生日前日の翌月から
認定日請求とは、初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日という)に所定の障害状態に該当した場合の請求方法です。要件を満たせば、認定日の属する月の翌月から障害年金が支給されます。
20歳前障害の場合、20歳の誕生日の前日が障害認定日です。所定の要件を満たせば、20歳の誕生日前日が属する月の翌月が、年金支給開始月となります。
ただし、20歳の誕生日前日に初診日から1年6ヶ月を経過していない場合、1年6ヶ月経過した日が障害認定日となり、その翌月から年金が支給されます。
「事後重症請求」は請求した月の翌月から
事後重症請求とは、障害認定日における障害状態は軽度で障害年金に該当しなかったが、その後状態が悪化して障害状態となった場合の請求方法です。事後重症請求の場合、請求書を年金事務所などに提出した月の翌月から年金支給が始まります。
20歳前障害請求のポイント
最後に、20歳前障害の請求をするときの主なポイントについて紹介します。
・原則、20歳前に病院で受診していないと20歳前障害は請求できない
・請求できるのは、20歳の誕生日の前日以降である(年金事務所での事前相談は可能)
・前年の所得が370万4000円を超えると年金は支給停止または減額になる
・障害等級が2級以上でないと支給されない(障害厚生年金は3級以上)
・請求が遅れると時効(5年)で年金がもらえなくなることがある
障害年金制度や手続きに関する疑問は年金事務所、障害の程度(何級に該当しそうか)に関する疑問は受診している医師に相談しましょう。医師が障害等級を決めるわけではありませんが、障害年金について詳しい医師もいます。
請求を検討中の人は20歳になったら年金事務所で相談を
本記事を見て障害年金がもらえるかもしれないと思ったら、医師や年金事務所に相談しましょう。
請求して審査結果が出るまで障害年金が支給されるかどうかは分かりませんが、医師や年金事務所の担当者のアドバイスを参考に、請求するかどうかを判断しましょう。
出典
日本年金機構 先天性の病気などにより20歳前から障害がありますが、障害基礎年金を受けることができますか。
日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級