更新日: 2022.12.18 その他年金
年金受給額、片働きと共働きでどのくらい違うの?
では、具体的にどのくらい違うものなのか計算してみたいと思います。社会保険の扶養を抜けるか否かなどの判断材料になれば幸いです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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片働きと共働きで年金受給額が変わる理由
片働きと共働きで年金受給額が変わる理由は、老齢厚生年金が片働きだと1人分、共働きだと2人分だからです。
年金には国民年金の老齢基礎年金と、厚生年金の老齢厚生年金があります。国民年金は国民全員が加入しており、厚生年金には会社員や公務員が加入します。
つまり、会社員は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つを受け取れることから、片働きの会社員は「年金×2×1人」であるのに対して、共働きの会社員は「年金×2×2人」となります。
【図表1】
出典:厚生労働省 いっしょに検証!公的年金
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夫婦の年金受給額を計算してみよう
それでは、片働きと共働きの場合の年金受給額を計算してみます。
●厚生年金の加入月数:456ヶ月(22~60歳)
●標準報酬月額:夫40万円、妻20万円(共働きの場合)
片働きの場合
片働きの場合には、働いていない方の年金は老齢基礎年金のみとなります。2022年度分の老齢基礎年金は満額で77万7800円です。
働いている方は老齢基礎年金77万7800円に加えて、老齢厚生年金が99万9734円上乗せされ、合計177万7534円となります。
40万円×1000分の5.481(※)×456ヶ月=99万9734円
※2003年3月までの料率は「7.125」となっていますが、計算の便宜上、「5.481」で統一します。
【図表2】
夫 | 妻 | 年間の年金受給額合計 |
---|---|---|
177万7534円 | 77万7800円 | 255万5334円 |
筆者作成
共働きの場合
共働きの場合には、夫婦それぞれに老齢基礎年金と老齢厚生年金があります。
夫:77万7800円+(40万円×1000分の5.481×456ヶ月)=177万7534円
妻:77万7800円+(20万円×1000分の5.481×456ヶ月)=127万7667円
図表3
夫 | 妻 | 年間の年金受給額合計 |
---|---|---|
177万7534円 | 127万7667円 | 305万5201円 |
筆者作成
片働きの場合と比較すると、妻の老齢厚生年金部分にあたる49万9867円の差が出ています。月額にすると約4万1000円になるため、老後の生活に大きく影響する金額なのではないでしょうか。
今回の計算では、妻の標準報酬月額を20万円で計算しましたが、30万円であれば20万円の場合の老齢厚生年金の1.5倍程度、10万円であれば半額程度になります。
まとめ
片働きと、夫の月収40万円、妻の月収20万円の共働きの場合とでは、年金受給額に年間約50万円の差があります。
この差をどうみるかは人それぞれですが、勤務先で社会保険に加入すれば、月収がいくらであったとしても年金受給額は専業主婦(夫)より確実に増えるのです。
社会保険の扶養内になる「年収130万円の壁」を気にしながら働いている人は、これを機に社会保険加入を検討してみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 いっしょに検証!公的年金 第04話 日本の公的年金は「2階建て」
日本年金機構 は行報酬比例部分
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部