年金生活者支援給付金ってどうやったらもらえるの? 要件を解説
配信日: 2022.12.30
今回は年金生活者支援給付金の受給要件について解説します。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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老齢年金生活者支援給付金
老齢年金生活者支援給付金を受け取れる人の要件は、以下のすべてを満たす人です。
1.65歳以上の老齢基礎年金の受給者
2.同一世帯の全員が市町村民税非課税
3.前年の公的年金等の収入金額とそのほかの所得金額との合計額が88万1200円以下
公的年金等の収入金額には、遺族年金や障害年金などの非課税収入は含まれません。
合計所得金額が88万1200円以下であっても、78万1200円を超える場合は、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
<支給額>
5020円(月額)を基準に計算した額で、下記の1と2の合計額になります。
1.保険料納付済期間に基づく額(月額)=5020円×(保険料納付済期間/被保険者月数(480月))
2.保険料免除期間に基づく額(月額)=1万802円×(保険料免除期間/被保険者月数(480月))
「補足的老齢年金生活者支援給付金」の計算額は以下のとおりです。
5020円(月額)×(保険料納付済期間/被保険者月数(480月))×調整支給率
調整支給率は次の式で求めます。
(88万1200円-前年の年金収入とその他の所得の合計額)÷(88万1200円-78万1200円)
計算に用いた5020円(月額)や1万802円は、毎年度の老齢基礎年金額の改定に応じて変動します。
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障害年金生活者支援給付金
障害年金生活者支援給付金を受けられる要件は、以下のすべてを満たす人です。
1.障害基礎年金の受給者
2.前年の所得が472万1000円以下
所得には、障害年金などの非課税収入は含まれません。また、所得金額の基準は、扶養親族の数に応じて増加します。
<支給額>
障害等級1級の人:6275円(月額)
障害等級2級の人:5020円(月額)
遺族年金生活者支援給付金
遺族年金生活者支援給付金を受けられる人の要件は、以下のすべてを満たす人です。
1.遺族基礎年金の受給者
2.前年の所得が472万1000円以下
所得には、遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、所得金額の基準は、扶養親族等の数に応じて増加します。
<支給額>
5020円(月額)
ただし、2人以上の子どもが遺族基礎年金を受給している場合は、5020円を子どもの数で割った金額がそれぞれに支払われます。
所得が前年より低下し、要件に当てはまった場合
老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金を受給している人で、所得額が前年より低下した場合などで新たに年金生活者支援給付金の支給対象となる人には、毎年9月頃に順次、日本年金機構から簡易な年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が送付されます。
<年金生活者支援給付金を受け取るには請求書の提出が必要>
新たに年金生活者支援給付金の受給対象者となった場合は、年金生活者支援給付金請求書を年金事務所に提出する必要があります。手続きを行った翌月分から支給対象となりますので速やかに手続きをされることをおすすめします。
年金生活者支援給付金は、年金と合わせて偶数月に前2ヶ月分が振り込まれます。
<年金生活者支援給付金の注意点>
・請求書を年金事務所に提出し、手続きを行った場合、次の年からは手続きは不要です。
・支給要件を満たさなくなった場合は、支給されません。その際には、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が送付されます。
・給付額は毎年改定されます。改定された場合は、「年金生活者支援給付金支給金額(改定)通知書」が送られてきます。
<支給されないケースもある>
次のいずれかに当てはまる場合、給付金が支給されません。
1.日本国内に住所がない
2.年金が全額支給停止されている
3.刑事施設などに拘禁されている
1もしくは3に該当する場合は、届け出が必要です。
まとめ
年金生活者支援給付金は、消費税率の引き上げ分を活用し、公的年金などの収入金額やその他の所得が一定基準額以下の人に対して、生活の支援を図ることを目的として支給されるものです。
支給額や基準額は毎年改定されますので、基準額を超えるかどうか気になる人は、厚生労働省のサイトで確認するようにしてください。
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員