更新日: 2023.01.05 年金

再雇用で「給与ダウン」と「年金減額」のダブルパンチ!?「在職老齢年金」の注意点を解説

執筆者 : 川畑彩花

再雇用で「給与ダウン」と「年金減額」のダブルパンチ!?「在職老齢年金」の注意点を解説
定年を迎えて年金の受給可能年齢に達しても、再雇用で働き続けたいという方もいるのではないでしょうか。実は、再雇用時の給与額などによっては年金が減額されてしまいます。
 
今回は働きながら受給できる在職老齢年金の注意点や、減額されないための方法を解説します。
 
川畑彩花

執筆者:川畑彩花(かわばた あやか)

ファイナンシャルプランナー2級

再雇用者は要注意! 在職老齢年金が減額されるかも

在職老齢年金とは、60歳以降に働きながら受け取る老齢厚生年金です。再雇用であったとしても原則として70歳未満であれば、引き続き老齢厚生年金に加入し続ける義務があります。
 
そして、再雇用後の給与や賞与の額によっては、在職老齢年金が減額されてしまう点に注意が必要です。
 

在職老齢年金が減額されるボーダーとその計算式

在職老齢年金は、基本月額(老齢厚生年金の月額)と総報酬月額相当額(標準報酬月額に年間賞与などを12で割った額を加えたもの)の合計額が47万円を超えると減額されます。
 
具体的には下記の計算式のとおりです。
 
減額される在職老齢年金(月額)=(基本月額+総報酬月額相当額-47万)×1/2
 
この計算式のとおり、「基本月額+総報酬月額相当額」が47万円以内に収まる場合、減額はゼロです。
 
例えば標準報酬月額が30万円、賞与などが年間総額総額で108万円と仮定します。この場合の総報酬月額相当額は下記のとおりです。
 
基本月額30万円+108万円÷12=総報酬月額相当額39万円
 
仮に基本月額が10万円とすると、毎月減額される在職老齢年金の金額は下記のように計算されます。
 
(基本月額10万円+総報酬月額相当額39万円-47万円)×1/2=1万円
 

再雇用で給与ダウンと年金減額のダブルパンチの可能性

国税庁による「令和3年分 民間給与実態統計調査」において年齢階層別の平均給与が公表されていますが、定年を迎える60歳以降の平均給与は男女ともに右肩下がりです。
 
「60歳~64歳」と「65歳~69歳」の年齢階層間では、男性は114万円、女性は85万円も平均給与がダウンしており、再雇用後の給与は大幅に下がることが見込まれます。
 
こうした厳しい現実に加え、再雇用で受け取る給与や賞与の額によっては在職老齢年金も減給されます。
 

在職老齢年金の減額を回避するためにできること

在職老齢年金を満額受給するためには働き方を考える必要があります。会社の環境や規模などにより選択肢は変わるため、ライフプランと照らし合わせて意思決定することが求められます。
 

基本月額と総報酬月額相当額の合計額を47万円以内に収める

在職老齢年金の減額を回避するには、まずは基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超えないようにする必要があります。とはいえ、仮に再雇用された場合の給与を自分でコントロールするのは難しい部分でもあります。再雇用の前に可能な限り労働条件を確認しておくのが望ましいでしょう。
 

再雇用ではなくアルバイトとして働く

定年を迎えた後は再雇用を希望せず、違うことに挑戦したい人もいるのではないでしょうか。再雇用後の給与ダウンに加えて在職老齢年金の減額は精神的にもつらいものです。
 
そこで、「アルバイトとして年金が減額とならない範囲で働く」、「給与よりもやりがいを重視して違う仕事を始める」という選択肢も考えられます。
 
なお、アルバイトでも労働条件によっては厚生年金保険に加入義務が生じることがあるため、勤務日数や労働時間には注意しておく必要があります。
 
基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超えると在職老齢年金が減額されてしまいますが、何を重要視するかは人によって異なります。
 
会社の規模や環境によっては、在職老齢年金と給与の減額を考慮しても再雇用で働き続けることにメリットを感じる場合もあるでしょう。一方、年金の減額を回避するためにアルバイトとして働き方を変えることも選択肢の一つです。
 
定年を迎える前に一度ライフプランを考え、納得できる選択をするための準備をしておくと安心です。
 

出典

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
国税庁 標本調査結果
日本年金機構 私は、パートタイマーとして勤務しています。社会保険に加入する義務はありますか。
 
執筆者:川畑彩花
ファイナンシャルプランナー2級

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