更新日: 2023.04.06 国民年金

国民年金保険料は20年前と比べると「月3000円以上」増額している! 過去の保険料の変遷を解説

国民年金保険料は20年前と比べると「月3000円以上」増額している! 過去の保険料の変遷を解説
国民年金保険料は一定額ではなく、決められた基準に基づき毎年変化していることをご存じでしょうか。そして、少しずつですが20年前と比較すると保険料の額は増額しているのです。
 
なぜ国民年金保険料は増額しているのでしょうか。国民年金保険料の推移について見ていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

国民年金保険料の推移はどうなっている?

まずは平成15年度から令和4年度までの20年間の国民年金保険料の推移を確認してみましょう。
 
図表


※日本年金機構 国民年金保険料の変遷より筆者作成
 
平成15年度の国民年金保険料は1万3300円でした。それが令和4年度には1万6590円となっています。実にこの20年で月々の国民年金保険料が3000円以上増額していることが分かります。
 
月3000円くらいならまぁと思った方も、年間で3万6000円も増えていると考えると、この20年で増えた金額が家計において決して無視できるものではないことが分かるでしょう。
 
各年の推移をみていると途中保険料が減少する年もあるものの、基本的には毎年数百円ずつ、徐々に徐々に増額してきていることが分かります。
 
1回の値上げ幅がそう高くなく、徐々に値上がってきた分、国民年金保険料が20年で1月当たり3000円も増額していると聞いてピンと来なかった方も少なくないでしょう。
 
それどころか、毎年増額していることすら知らない方もいらっしゃったかもしれません。
 

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国民年金保険料はなぜ増額している?

国民年金保険料が増額を続けてきた背景には平成16年に行われた制度改正があります。この改正により平成29年まで毎年280円ずつ引き上げられていくことになりました。その理由としては、年金の給付と負担について見なおし、保険料の引き上げを極力抑えて給付水準を調整するためとしています。
 
つまり、年金制度をより長く続けていくために行われている増額だということです。その後、産前産後期間の保険料免除制度の施行によって、令和元年度以降は毎年100円ずつ引き上げられることになりました。
 
とはいえ、実際の国民年金保険料は280円以上増えることもあれば逆に減少していることもあります。それはなぜでしょうか。
 
その背景には物価や賃金の変動があります。この変動を基に決定されるのが保険料改定率です。国民年金保険料は平成16年の改正で決められた保険料額に物価や賃金の変動を加味した保険料改定率を乗じて決定されているのです。
 
一律に毎年何円引き上げとしても、実際には物価や賃金の上昇によって当時の保険料と現在の保険料とでは実質的な価値に違いが出ます。その差を埋めるために毎年国民年金保険料の変動額は一定ではないのです。
 

今後の国民年金保険料の見通しは?

年金は物価と賃金に応じて変化していきます。日本は資本主義社会であることから経済の成長とともに物価と賃金が上昇するため、国民年金保険料も少しずつ引き上げられていくものと想定されます。
 
また、産前産後期間の保険料免除制度のように、新制度が施行されるたびにその財源確保のために国民年金保険料が引き上げられる可能性もあります。
 
さらに、国民年金保険料の納付期間は5年延長が現在検討されています。国民年金保険料自体の金額が変わらなくとも、実質的な負担が増えていく可能性もあります。こういった現状を考えると、国民年金保険料は今後も徐々に引き上げがされていくといわざるを得ないでしょう。
 

国民年金保険料は年々増額を続けていくことが想定

国民年金保険料はさまざまな要因から年々増額を続けており、今では20年前と比較して1月当たり3000円以上増額しています。
 
今後も国民年金保険料の引き上げは避けられず、私たちの家計への影響も無視できないものになるでしょう。家計を正しく管理し老後に備えるためにも、国民年金保険料の変遷については今後も注目をしていくべきだといえます。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の変遷
厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方] 第4 公的年金制度の歴史
日本年金機構 国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか?
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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